文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ソ連崩壊後は空母から宇宙工学の技術者まで買い込んだ。支那の宇宙航空士の帽子がソ連と同じなのはそういう理由による。

2020年09月10日 15時46分56秒 | 全般

以下は、トランプはいい、と題して、本日発売の週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の論文からである。
本論文でも彼は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであることを証明している。
少し前に米国務省OBのマイケル・ピルズベリーが「支那を豊かにしてやったらまともになると信じて米国は積極的に応援してきた。しかしそれは大間違いだった」(『China 2049 』)と言い出した。 
国務長官ポンぺオも「習近平は破綻した全体主義の信奉者だった」と騙した相手を名指しした。 
支那人は「徳の国」(荻生徂徠)の民どころか、性残忍な連中だと山縣有朋がとっくに訓示している。 
今ごろ気づいたとは人が好過ぎに見えるが、それは額面通りじゃない。
実は米国人は彼らを黒人奴隷の代用(苦力)で使い出したころから狡い性格を十分承知していた。 
だから米大陸横断鉄道が開通すると、もう支那人は結構だと1882年には排華法を成立させて締め出しを図った。 
そんなに嫌った支那人と再び撚りを戻す気になったのは日本のせいだった。 
日本は開国するや瞬く間に近代化を果たし、日清戦争に勝ち、白人大国ロシアとの戦争にも瞠目させる勝ち方を見せた。 
司馬遼太郎は「日本はそれで驕り高ぶった」というが、それは間違いだ。
日本は支那人留学生を受け入れ、教育し、民主化を指導した。 
辛亥革命のあと、支那人は民選議院を設立し、21歳以上で納税している男子4300万人が投票して590人の議員が選ばれた。
議員の半分近くは日本留学組だった。 
支那に議会制民主主義が確かに産声を上げた。 
しかしそれは逆に白人を警戒させた。
「知の日本と4億の支那が手を携えれば(白人に代わって)世界のヘゲモニーを取らないと誰が言い切れるか」(ムッソリーニ)というわけだ。 
米国はここで支那に近づいた。
袁世凱らを使って民選議院を潰させ、一方で日本に向かう留学生を米国に誘い込んだ。 
顧維釣、胡適、宋美齢らは支那に戻ると日貨排斥と邦人テロを展開した。
日支は分断された。 
米国はさらに第2弾として蒋介石に万里の長城の外側の夷狄の地をすべて与えると言い出した。
スティムソン・ドクトリンだ。 
その代わり蒋介石に国民政府軍を丸ごと米国の傭兵として提供させた。 
そして1937年、訓練された国府軍6万と支那空軍機が上海の日本租界を攻撃し、日支の泥沼戦争が始まった。
戦火は太平洋にも広がり、最後は米国が出てきて、日本は敗北する。
その直前、蒋介石はカイロに呼ばれ、排華法撤廃のご褒美をもらった。
しかし日本が負ければ蒋介石に用はない。
蒋は苦力と同じに捨てられ、ほどなく台湾に落ちていった。 
それから20年。
米国は3度目の支那接近をする。
今度は米ソ冷戦と泥沼化したベトナム戦争からの足抜けのためだった。 
当時の支那は「超英追美(英国を凌駕し米国に追いつく)」を掲げる毛沢東が仕切っていた。 
米国は毛の歓心を買うために安保理常任理事国の台湾を切って捨て、そこに住む人たちを亡国の民にした。 
毛は残忍だけどそれ以上に狡かった。
米ソ両陣営を巧みに煽(おだ)てたり賺(すか)したりして援助と先端技術を双方から取り込んでいった。 
ソ連崩壊後は空母から宇宙工学の技術者まで買い込んだ。
支那の宇宙航空士の帽子がソ連と同じなのはそういう理由による。 
一方、民主党が仕切る米国には「自由に使える奴隷工場あります」と安い民工を斡旋した。
かくて家電から医療に至るまであらゆる製造業を誘い込み、ノウハウを吸収していった。 
気が付いたとき知財コソドロ国家と思っていた支那が「超英超美」の強国を装い始めていた。
その傍若無人は目を覆う。 
ピルズベリーの「騙された」発言は正しくは「騙し利用してきたつもりが支那に裏を掻かれた」だろう。 
幸いというかトランプが支那の非道を炙り出した。
台湾切り捨てという米国の過去の過ちも繕い始めた。 
スティムソンの専断もトランプは問うている。
米市民も過去を顧みて大統領選に臨んでほしい。

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