以下は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之が週刊新潮の掉尾に連載している名物コラムからである。
題字以外の文中強調は私。
女と革命
朝日新聞の北京支局長は大連だかにマンションを買って女を囲っていた。
北京政府のお気に入りになるとそういうこともできるらしい。
そうではない産経新聞の記者たちは随分住みにくいと聞く。
先日その北京から帰任した矢板明夫記者は現地の銀行に預けていたカネが下ろせなかったとどこかに書いていた。
預金は8年間の給与やボーナスの余りでほんの100万円ちょっと。
なのに人民元で下ろすのはいいが外貨の日本円ではダメという。
支那は実をいうと威張れるほど外貨備蓄がない。
備蓄の半分は温家宝とか高官連中が海外に持ち出してしまった。
残りは弱い人民元を外為市場で買い支えるため無駄にできない。
だからどんな小口でもそう気安く外貨を出す気はないのだという。
ましてトヨタやパナソニックなどが支那で稼いだ億兆単位のカネも外貨では持ち出せない。
あっちに置いたままが実情だという。
IMFの引き出し権を持つとか言っても実態はおもちゃのお札でしかない。
そんな支那に「私、新しく工場を出しました」という中小企業主に会った。
稼いでも支那から出せない。
そんなところで頑張る日本人に何といっていいか言葉に詰まった。
この稿続く。