おっとっと、すげぇ、強い風が、吹きやんの。

うむ。だけど、ちょっとさびしいな。

ジョバンニ、もうちょっと、いてくんないかな。…駄目だよ、今日は、殿さまなんだから。

おいらは、いつまでも、いられないじゃないか。…そうか。

その調子だよ、頑張って。

よし、いいぞ。…そうかい。

鳥捕り、しっかり、やれよ。…おうよ、任しときな。

それじゃ、芥川さん。おいらの一番凛々しいポーズを。

ジョバンニは、「・・・・えへぇ」、それじゃ、芥川さん、こいつを大スターにしてやって下さい、と言いながら、踵を返した。

分かったよ、その代り、一杯、撮って、世界中に知らしめて上げるから。

へぃ。いや、うむ。と、鳥捕りは言った。…ジョバンニは、「芥川さん、頑張って、専務さんもね」

うん、いや、うむ。。

でも、もうちょっとだけ、いてほしいな。なぁ、鳥捕り、いや、尊氏公殿。

うん、専務が、病み上がりだから、冷え過ぎは禁物なんじゃ。

そうだったの。…ジョバンニと、鳥捕り＝尊氏公は、「専務さん、お大事に」、と、言った。

あれ、だけど、あくたがわさんたちは、帰っちゃうみたいだよ。

芥川さん、どうして帰るの？

芥川さんのためだぞ、しっかり務めろよ。…任しとけ。

そうだよ。だから、威厳を持って。…よし、分かった。

でも、今日は、正真正銘の主役だよ。尊氏公だよ。