映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

君と別れて (1933年4月1日公開 60分 成瀬巳喜男)

2015年12月25日 07時18分13秒 | 成瀬巳喜男
『君と別れて』

監督  成瀬巳喜男
原作  成瀬巳喜男
脚色  成瀬巳喜男
撮影  猪飼助太郎

出演
吉川満子  芸者菊江
磯野秋雄  義雄
水久保澄子 芸者照菊
河村黎吉  父
富士龍子  母
藤田陽子  妹
突貫小僧  弟
新井淳   菊江の旦那
飯田蝶子  芸者屋の女将


江ノ島へ行く電車の中、照菊の話し
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義雄さん、私とこうやって並んでいて嫌じゃない?
よその人達、私達二人をなんだと思うでしょう
兄妹?、恋人同志?
きっと兄妹だと思うわね
私本当に、義雄さんのような兄さんがほしいわ
私には妹と小さい弟があるのよ
だけどいろんな心配事を相談したりするにはまだ小さいの
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義雄は母親の仕事、芸者という不誠実な仕事を嫌い、ぐれて不良仲間と付き合い始めていた.
不誠実を嫌った彼自身が、学校へも行かず不誠実な生き方を始めていたのだが.
照菊は義雄に困り事を相談できる、頼れるお兄さんになって欲しいと言った.
頼られる人間とは、誠実な人間でなくてはならない.

照菊の親は、仕事をせず酒ばかり飲んでいる不誠実な人間で、照菊だけでなく妹も芸者に売り飛ばそうとしていた.
照菊は妹を守るために、お金のために自らより不誠実な仕事へと身売りをする覚悟でいた.
自分自身に誠実であろうとするが故に、より不誠実な生き方を為ざるを得ない、自分の悩みを理解して欲しいと、照菊は義雄に望んだ.












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