映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

『風のある道』 1959年 日活 (88分)

2021年05月05日 17時02分13秒 | 邦画その他
『風のある道』 1959年 日活 (88分)

監督    西河克己
企画    高木雅行
原作    川端康成(婦人画報連載)
脚本    西河克己
      山内亮一
      矢代静一
撮影    伊佐山三郎
美術    佐谷晃能
音楽    池田正義
編集    鈴木晄
助監督   白鳥信一

出演者
竹島高秋.....大坂志郎
竹島宮子.....山根寿子
竹島恵子.....北原三枝
竹島直子.....芦川いづみ
竹島千加子....清水まゆみ
矢田光介.....小高雄二
矢田菊代.....相馬幸子
小林甚吉.....葉山良二
小林雄之助....芦田伸介
近藤先生.....信欣三
真山英夫.....岡田真澄
真山夫人.....細川ちか子
大川源三郎....富田仲次郎
茂太.......藤田安男
岡田.......小泉郁之助
岡田夫人.....堺美紀子
会場係......紀原耕



母宮子はお金のせいで、好きな男小林雄之助と一緒になれなかった.娘の直子が小林勘吉を好いていることを知った彼女は、自分が若い頃、本当に好きな相手と一緒になれなかった想いから、一度は直子と勘吉の結婚を望んだ様なのだが、けれども直子と矢田光介の肉体関係を知った彼女は、自分が肉体関係にあった相手と一緒になれなかった想いを絶ちきれなかったらしく、娘を本当に好きではない相手と知りながら、無理矢理、光介と結婚させようとしたのだった.

父親の言葉
諄いようだけど大切なことだからもう一度言うがね、
若い時に自分で自分を歪めてしまうと、年を取ってから後悔するよ.
自分の道を歩まなかった心の傷は、人を一生不幸にするものだ.

面子とか恥とか、そんなことはどうだって構わない.そんなことに振り回されて自分で自分を歪めてしまってはならないのだ.
勘吉は一人で船に乗ることが出来ず港に残っていた.未練がましく残っていたけれど、未練こそ正しい愛情なのだと思う.

さて、さて.....
母親は、肉体関係のあった男と結婚しなかったことを悔やみ続けてきた.それに対して娘の直子は、どう考えても彼女が肉体関係のあった光介と結婚しなかったことを、悔やむことは無いはずである.つまり結婚相手を決めるときに、肉体関係があるかないかは関係ないことである.
(原作はそう言う作品なのでしょう)


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『風のある道』
姉の啓子は、浮気した夫に対する仕返しに、自分も浮気をしようと考えていたが、子供が出来た彼女はそんなことはどうでも良くなっていた.彼女にとって、子供が何よりも大切であった.

『虹いくたび』 原作 川端康成
姉は自殺した若い男の子供を産む決心をした.

『山の音』 原作 川端康成
愛人の女に子供が出来たことを知った男は、子供をおろすように迫って女を階段から突き落とした.
女は『あなたの子供ではない』と言い張って、子供を守ろうとした.

『夜の女たち』 溝口健二
男に病気をうつされ捨てられた女.彼女は子供が出来たことを知ったとき、自分を捨てた男の子供を産む決心をした.

『女と男のいる舗道』 ジャン・リュック・ゴダール
パリの娼婦の実態を描いた作品.子供が出来たとき、彼女たちの多くは父親が誰だか分らなくても、子供を産むという.


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