映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

ジャン・ルノワールとルネ・クレール (悲劇と喜劇)

2016年01月01日 10時49分07秒 | ジャン・ルノワール
ルネ・クレールとジャン・ルノワール
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『巴里祭』(1932)
『どん底』(1936)
どちらも、悪い女と別れなければ幸せにはなれない.
『巴里祭』は後にチャップリンともめ事を起こしかけた作品.『どん底』の主役の二人は小説には全く描かれないが、ジャン・ルノワールはゴーリキーに許諾を求めた.

『ゲームの規則』(1939)
悲劇を喜劇に描く.人々が喜劇ととらえる悲劇を描いた.
『沈黙は金』(1946)
悲劇を喜劇に変える話し.

『夜ごとの美女』(1952)
この作品は日本人には分からない.フランス軍のアフリカ出兵は、アフリカの人々にとって悪夢だった.
音楽家になる夢が現実になったとき、もう一つ同時に隣の家の娘と結婚できる夢が適った.それはフランス革命の時抱いた夢、誰もが身分の違いがなく自由に恋愛し結婚できる世界への夢であった.
封建制度の時代に作られた植民地の人々が独立運動をしている.民主主義の時代になり、封建制度の時代に適わなかった夢が現実のものとなった現在において、アフリカの人々の夢を実現するのは当然のことではないのか.
『黄金の馬車』(1953)
貴族の権力の象徴である、黄金の馬車=植民地を、庶民が欲しがるのは、欲張りに過ぎない.

『恋多き女』(1956)
秘密にすれば悲劇になり、公にすれば喜劇になる.
沈黙は金に対する作品.
『夜の騎士道』(1955)
このような出来事は、相手の女性にとって悲劇に過ぎなかった.
ゲームの規則に対する作品.
ルネ・クレールは喜劇ばかりを、ジャン・ルノワールは悲劇ばかりを撮ってきたので、互いに逆の作品を撮った.

『沈黙は金』(1946)
ルネ・クレールがフランスに戻った最初の作品.
ジャン・ルノワールがフランスを追われることになった『ゲームの規則』で描き損ねた、悲劇と喜劇を描いた.
『フレンチ・カンカン』(1954)
ジャン・ルノワールがフランスに戻った最初の作品.
ルネ・クレールがフランスを追われることになった作品『最後の億万長者』で描き損ねた、愚劣を描き込んだ.
この作品、ラストシーンは『沈黙は金』と同じ.


ルキノ・ヴィスコンティとジャン・ルノワール
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『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1942)
『浜辺の女』(1946)
どちらも妄執を描いた作品.ゾラ原作の『獣人』も妄執が描かれていたのだけど、おそらくこの作品によって妄執に興味を抱いたジャン・ルノワールは、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を映画化しようと考えたのでしょう.
イタリアでヴィスコンティを助監督に『トスカ』を撮っていたとき、二人で構想を話し合ったとはずで、やがて、イタリアが参戦したため、ジャン・ルノワールは『トスカ』の撮影を中断しフランスへ戻る事になり、この時『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の映画化を譲ったのだと思われます.
『大いなる幻影』は、ヒットラーのもっとも嫌いな映画.周りの人間に勧められジャン・ルノワールはアメリカに渡ることになりました.数年の後、アメリカで『郵便配達は二度ベルを鳴らす』が映画化されることになった、同じ年にジャン・ルノワールは『浜辺の女』を撮っています.彼にとって、妄執はどうしても描きたい課題であったと言うことなのでしょう.

『夏の嵐』(1954)
『黄金の馬車』(1953)
ジャン・ルノワールはテクニカラーの技術者と一緒にイタリアへやって来て、チネチッタでカラー作品を撮ることになった.
旋律は勇敢と卑怯.で、どちらがくだらない映画を撮るか競い合った.
欲張りと言う、人間のくだらない一面を描いたジャン・ルノワールが勝で、面白くないヴィスコンティは、後に『白夜』と言う、これ以上はあり得ないくだらない作品を撮った.


キング・ヴィダーとジャン・ルノワール
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『麦秋(麦の秋)』(1934)
自然災害など、さりげなく不幸が訪れ、それに対してわざと助け合う人々が描かれているのではないか.
『南部の人』(1945)
ジャン・ルノワールは意地悪を描いた.意地悪とはわざと人を困らせること、その逆、さりげなく助け合うことの大切さを描いたのだけど.


チャップリンとジャン・ルノワール
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『ライムライト』(1952)
チャップリンは自分一人で映画を作ってきたと思っているのだろうか.なんとも言いようのない陰気な作品.
『フレンチ・カンカン』(1954)
名優もへぼな役者も、皆、芸人が好きで、映画の世界、役者の世界で生きてきた.皆、好きなことを一所懸命やって来たのであり、それは映画監督のジャン・ルノワールも同じであった.


作品リスト (2016/09/22修正)
1924年 『カトリーヌ』 脚本/製作
      『水の娘』 監督(27年発表)
1926年 『女優ナナ』 監督 DVD
      『チャールストン』 監督
1927年 『マルキッタ』 (消失)
1928年 『マッチ売りの少女』 監督
      『のらくら兵』 監督/脚本 DVD
      『騎馬試合』
1929年 『荒れ地』
1931年 『坊やに下剤を』 監督/脚本 DVD
      『十字路の夜』 監督/脚本 DVD (最初のトーキー)
      『牝犬』 監督/脚本 DVD
1932年 『素晴らしき放浪者』 監督/脚本 DVD
      『ショタール商会』 監督 DVD
1933年 『ボヴァリー夫人』 監督/脚本 DVD
1934年 『トニ』 監督/脚本 DVD
1935年 『ランジュ氏の犯罪』 監督/脚本 DVD
1936年 『人生はわれらのもの』
      『ピクニック』 監督/脚本 DVD
      『どん底』 監督/脚本 DVD
1937年 『大いなる幻影』 監督/脚本 DVD
      『ラ・マルセイエーズ』 監督/脚本 DVD
1938年 『獣人』 監督/脚本/出演 DVD
1939年 『ゲームの規則』 監督/脚本/出演 DVD
1040年 (トスカ)
1941年 『スワンプウォータ』 監督 DVD
1943年 『自由への闘い(この土地は私のもの)』 監督/製作 DVD
1944年 『フランスへの挨拶』
1945年 『南部の人』 監督 DVD
1946年 『小間使いの日記』 監督 DVD
      『浜辺の女』 監督/脚本 DVD
1950年 『河』 監督/脚本 DVD
1952年 『黄金の馬車』 監督/脚本 DVD
1954年 『フレンチカンカン』 監督/脚本 DVD
1956年 『恋多き女』 監督/脚本 DVD
1959年 『コルドリエ博士の遺言』 監督/脚本/製作
      『草の上の昼食』 監督/脚本 DVD
1962年 『捕えられた伍長』 監督/脚本
1969年 『ジャン・ルノワールの小劇場』 監督/脚本 DVD


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