地中で生活するトガリネズミ科の動物。
暗闇で行動するため、目や耳は退化し、触覚が発達している。前足は土を掘るために特殊化している。
霊魂の段階は、ネズミより幾分進化している。集団の暗愚に溶けていた自己というものが、わずかに自分の輪郭を感じて出てきたという段階である。行動も独自性を持ち始め、わずかに進化している。だがまだ光の中に出ることはできない。
地中にもぐり、一生のほとんどをそこで暮らすということは、一生子宮の中にいるということに等しい。
高い段階に出ることに臆して、外に飛び出すことができない幼い自己存在の弱さの姿である。
だが霊魂はいずれ光の下に出なければならない。大きくなった霊魂はいつまでも子宮の中にいることはできない。
モグラは日を浴びれば死ぬということは迷信である。モグラもまた、勇を起こして太陽の下に出れば、ちゃんとそこで生きていくことができる力を授かるのである。
自己存在は、いつまでもモグラのように、同じ繰り返しの生を生きていてはならない。
アヒルはマガモを家禽化したもの、ガチョウはガンを飼いならしたもので、姿は似るが、微妙に違う。
卵や肉や羽毛を供給することで、人類のために尽くしてきた。
フォアグラを手に入れるために、人間が彼らにしている仕打ちは、家畜に強制している無体の中でも最もひどいものである。人間は早期のうちにあれをやめなければならない。
彼らが苦しんでいないなどというのは、人間の卑怯なエゴである。フォアグラのためにやっている人間の非道は、必ず人間に返っていく。
フォアグラを食べてはならない。もし食べれば、そのものはその人類の罪を引き受けることになる。
必ず、食べたフォアグラを持っていた鳥と、同じ目に会わねばならなくなる。