月の岩戸

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ミネラウヴァ・15

2017-04-26 04:17:00 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿な男は
馬鹿が作った偽物の美女を
女神のように
信仰していたのだ

悪いことなどせずに
清らかなことばかりする美人は
ずるい罠を仕掛けて
汚いものにした
思い通りにならないものは
殺した

それで馬鹿なことばかりして
いやな心をしてはいるが
顔だけは美しいという女が
いいものだとして
それを頼りに生きていたのだ

ずるいことをしてもかまわない
悪いことをしてもかまわない
それでも何とかなる
美しい女がいる
それだけが目当てで
馬鹿な男は生きてきた
それだけを頼りに
馬鹿な世界を作ってきた

だが
この世界から
本当の美女がすべて消えてしまうと
もう何もなかった
馬鹿な偽物の美人の
本当の姿が見えると
それだけのために生きてきた自分が
あまりにも寒かった

阿呆な男は
あんなものをいいものにして
あらゆることをやってきたのだ
命さえすり減るような
情熱を燃やしてきたのだ

すべてが馬鹿になった

女が馬鹿だったというだけで
男のすべてが駄目になった




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