これも古くから家禽化されてきた鳥である。
性質が素直でおとなしく、馴化しやすかったので自然に人間の生活の中に入ってきたと思われる。
帰巣本能を利用され、通信用として使われた歴史もある。今でも鳩レースなどを楽しむ人間がいる。
ギリシア神話では、愛と美の女神アフロディテの聖鳥である。平和の象徴としてもつかわれる。
アフロディテの使いであることから、ハトをして性交の喜びを語ってみよう。
彼らがセックスをしたいと思うとき、ほかの高い存在が彼らの自己活動を代行し、求愛活動をやってやる。まだ彼らの霊魂では、愛を表現することができないからだ。
そして求愛が受け入れられ、交尾をすると、雄はその喜びの激しさにとまどい、何をしていいかわからなくなる。雌はその喜びの激しさに、呆然とする。
全霊がしびれている。その間の彼らの霊魂はほとんど活動不可能になるので、高位の存在が自己活動を代行している。
その喜びの正体を、彼らは知ることはできない。だが彼らは、その愛に導かれるように、自然の流れに従い、卵を産み、雛をかえし、それに愛を注いでいくのである。