月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ラサラス・2

2017-04-28 04:15:51 | 詩集・瑠璃の籠

憧憬というは
永遠にそうなれはしない
美しい他人を
追いかけ続けるという心だ
黎明ではない
黄昏の中に永遠に住み続けようとする心だ
沈み切って闇に落ちてしまう寸前の
幻の時空に酔い続けようとする

馬鹿な男はそれゆえに
美女にあこがれ続ける
あのような美しい存在になりたい
だがなりきってしまうのは嫌だ
自分のような汚いものに追いかけられる
だがそんなものに追いかけられるほどの
美しさも欲しい

どうにもなりはしない心の中に立ち尽くし
馬鹿になって何もわからないことにし
黄昏に設定した心の中で
どうでもいいことを繰り返し
永遠に美女ばかり追いかけようとする
影のように張り付き
すべてを奪おうとする
だが決して奪えないものを感じて
狂い続ける
その狂い続けることを肯定するために
あらゆる幻の論理を生む

阿呆の周りには
屑のようなものが次々と生み出される
歪んだ創造が
世界を汚し続けていく

嫌なものなのだあれは
美しいが全部馬鹿なのだ
哀れなことになれば
みんなだめになる
嫌らしいものなのだ
そういうことにするために
馬鹿な男は女を馬鹿にし続ける

たまらないのだ
そんなことばかりしている自分が
それゆえに一層
美女ばかり見続ける



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