地中で生活するトガリネズミ科の動物。
暗闇で行動するため、目や耳は退化し、触覚が発達している。前足は土を掘るために特殊化している。
霊魂の段階は、ネズミより幾分進化している。集団の暗愚に溶けていた自己というものが、わずかに自分の輪郭を感じて出てきたという段階である。行動も独自性を持ち始め、わずかに進化している。だがまだ光の中に出ることはできない。
地中にもぐり、一生のほとんどをそこで暮らすということは、一生子宮の中にいるということに等しい。
高い段階に出ることに臆して、外に飛び出すことができない幼い自己存在の弱さの姿である。
だが霊魂はいずれ光の下に出なければならない。大きくなった霊魂はいつまでも子宮の中にいることはできない。
モグラは日を浴びれば死ぬということは迷信である。モグラもまた、勇を起こして太陽の下に出れば、ちゃんとそこで生きていくことができる力を授かるのである。
自己存在は、いつまでもモグラのように、同じ繰り返しの生を生きていてはならない。
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