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幻のように
野に降りてきていた月を
野辺の草のように
折ろうとしてはならぬ
道端に
千金を収めた箱が落ちていると
恐ろしいくらいの幸運が
落ちていると
錯覚して
馬鹿なことをやってはいけない
簡単に手に入れられるものと
思い込んで
やったことのすべてが
あまりにも恐ろしいことになる
月は人類を救おうとしていたのだ
そして人類を救ったのだ
その月を
すべて馬鹿にしてしまったら
もうおまえは
月の照らすところにいることはできない
月が救った人類と
同じところに住むことはできない
ただ一言
影から言った痛烈な罵倒が
おまえの永遠を駄目にする
馬鹿なことをして
本当の愛を馬鹿にするような
ことばかりしてきたから
おまえはそんなことになる
神の教えを馬鹿にせず
真面目にやってきたならば
そんなことをせずにはすんだものを
たったひともとの百合でさえ
その心を踏みにじるような気持ちで
折れば
おまえはたまらないことになるというのに
野に降りてきていた月を
たった一度馬鹿にしただけで
おまえはもう永遠に
この世界に帰ってくることができなくなったのだ
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