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耐震診断はしたものの…

2010年02月05日 09時22分35秒 | 日頃考えること
今回の案件は、耐震補強工事の助成金の関係ではなく、大規模改修でもないのですが、せっかく建物調査をして、古い確認申請図面をお借りしてきたので、「参考までに評価してみましょう。」といった感じで取り組んでます。

国土交通省住宅局建築指導課監修、(財)日本建築防災協会発行の『木造住宅の耐震診断と補強方法』と首っ引き。

「一般診断方法」のマニュアルに従って、順番に計算式を立てていって、最後に各階のX軸方向、Y軸方向について「評点」が算出されます。

考え方がわかっていれば、別に、耐震診断ソフトが無くても出来るのですが、面倒くさいです。

これをやっていると、何故だか、小学生の時に夜中まで『算数自由自在』をやらされていたことを思い出します。(笑)

対象の建物は昭和37年竣工の建物なので、築年数48年目です。普通の木造在来工法の2階建て。
古い住宅は大概、あまり芳しくない「評点」が出ます。

「評点」については、正直にお話するとして、今回のように、一部改修工事でご相談頂いた場合、その建物をどうするか、の話が難しいと思うことがあります。

施主様の立場に立つと、ご予算その他色々ご事情もありますし、命に関わることではあるけれど、「すぐに改修するかどうか」は施主様の判断に任せる以外にありません。

こちらとしては、悩ましいところです。

それなら、耐震診断なんてしなければ良いじゃないかと、思われるむきもあるかもしれませんが、そういう訳にもいきませんよね。

地震がいつ来るかは判らない。
かと言って、明日来ないとも限らない。
でも、阪神淡路級の直下地震がくれば、危険。

傷を負ったり、命を奪われずに済んだとしても、建物が倒壊した場合の撤去・新築、もしくは、変形や一部損壊を改修する費用と比較したら、多くの場合は耐震改修にかかる費用の方が少なくて済みます。

でも、今回はおそらく、
「寝室を2階にして、寝室には箪笥など大きい家具を置かないように。そして、出来るだけ近い将来に、耐震補強をご検討されることをお勧めします。」
と、お話することになるのかなあ。

こういう話の場合は、いつも
「これで良いのか」
と言う思いが残ってしまいます。

                             (by 猫派のプランナー)