今日は今年一回目の牛群審査でした。今回はあまりパッとした牛もいないので、わりと気楽でした。
それから、今回の審査より審査の配点というか重み付けが変わりました。大きく変わったのは、体積がなくなって外貌といっしょになった点です。名称も体貌と骨格になりました。そして肢蹄の配分が15点から20点に増え、乳用牛の特質の配分が低下しました(20点→15点)。また名称が乳用強健性に変更されました。
特質の配分が減って、肢蹄の配分が増えたのは、正直言って厳しいです。
しかし「検定データから導き出された長命性に関わる体型形質を重視して改良を進める」
という方向性は正しいわけで、それによって将来得られるものがより大きくなると考えられます。ここはより飼養管理を徹底して、
「よい牛、よい牛乳を生産してください」
ということだと前向きに考え、頑張っていきましょう!
それから部位ごとでは尻の配点が上がり、体貌の中で前駆と尻とに分かれたようです。ただ得点は体貌としてしか出されないようです。この辺は配点区分の変更に伴う審査ブレの確認をしているものと思われます。
乳器では、長命性と関連の強い前乳房の配点が増え、後乳房が低下しました。我が家は前乳房の付着に特に力を入れて改良をしてきましたので、この変更はありがたいですし、自信になります。と言っても1点増えただけですが・・・
さて結果です。
番号 父 母の父 点数 年齢(歳ー月) 産次数
261 ルドルフ サベージ 88 5-10 4
276 リー チャールズ 87 5-0 3
ーーーーーーー以上がホルマガに掲載されますーーーーーーーーーーーーー
256 C・リーダー ビクトリアス 85 6-5 4
265 ダーハム ルドルフ 85 5-4 3
288 ジョーダンレッド ルーベンス 82 2-0 1
289 Alta マーチャント リー 80 2-0 1
290 ディカプリオ リー 80 2-0 1
291 フリーマン イトー 80 1-11 1
285 ジェットソン リー 79 2-3 1
286 アウトサイド ルドルフ 77 2-9 1
261はエクセレント牛の娘です。得点からは、これと言った欠点もなく順調に後2産取れれば2代目の可能性が出てきました。自分としては87点取れれば十分と思っていたんですが、乳用強健性が90点と思いのほか高く評価されました。後はもう少し前駆に強さが出てくれれば。
276は、年齢の割りに産次数が少ないことから(育成の時に流産してしまったため)ちょっと評価がマイナスになりましたが、大人しくて手間のかからない牛です。乳房がやや深めなので、それがどうなるか。この牛も前駆の強さ、胸の幅や深さがもうチョットあればバランスがいいんですが。
265は、我が家で唯一のダーハム娘牛です。ダーハムらしい牛です。ウチの牛舎で最も高さのある牛なんですが、深さがなく、馬みたいな牛です。前産で前乳房が乳房炎になったため萎縮してしまっていて、それがもったいないところです。ダーハムにしては、大人しく搾らせてくれます。普段はキョドッてますが・・・
288は、登録名に「RED」と入っていますが、黒白牛です(笑) 登録を申請したときは、赤かったんですけどね・・・。82点と思った以上の評価をいただきました。母ルーベンスの質感と父ジョーダンレッドの強さがうまくマッチしたんじゃないかと思っています。
今回、初産の受審が多かったんですが、牛は小さいながら乳器を割りと高く評価していただきました。肢蹄についてもまずまずの結果です。
牛の体は、前駆、中躯、後躯と大きく3つに区分されるんですが、審査の配点は後躯だけで70点(尻10、肢蹄20、乳器40)が当てられています。肢蹄には前肢も含まれますが、前肢は浮腫などがない限りほとんど評価の対象にはなりません。配点の見直しで、後躯の重要度はさらに増した感があります。
そして、この変更により種牛の評価も今後は変わってくると思われます。NTPの計算式が変わるのか、乳代効果をアメリカのネットメリットのように繁殖性に重きを置いた数値にするのかは分かりませんが、酪農家の選択の仕方に変化が現れるのは時間の問題でしょう。