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追悼 エンニオ・モリコーネ R.I.P. Ennio Morricone

2020-07-18 12:11:58 | 映画音楽
エンニオ・モリコーネ氏のご冥福を心よりお祈りいたします
#EnnioMorriconeRIP

ファンが聞くと笑っちゃうかもしれないけど、私とモリコーネ音楽の出会いは「アンタッチャブル」だった。
モリコーネのストック曲の使い回しも多いらしいが、でも映画の劇伴音楽としてなら多分モリコーネの技が最も輝いた作品だ
アンタッチャブルのオープニングの鉄格子を思わせるシルエットにかぶる叩きつけるようなピアノの音
カポネの優雅な生活を描く曲
オルゴールの音でエイゼンシュテインのモンタージュなど忘れさせたシカゴ駅の対決曲
なにもかも美しく完璧だった

だからリアルタイムでのモリコーネとのお付き合いは80年代後半以降の主にアメリカ映画だった。

「バグジー」の哀愁あるトランペットのメインテーマと夢遊感ある愛のテーマは、大学時代に撮った8ミリ映画で勝手にテーマ曲として使わせてもらった

「フランティック」はもしかしたら一番好きかもしれない名盤だ。パリを舞台にハリソンフォードが巻き込まれるサスペンスだが、モリコーネは何故だかやたら哀感漂うねっとり情緒的な音楽をかけるが、不思議なくらい映画にはまった。メインテーマをフルートで変奏した曲大好き
トランペットソロのもの悲しくもサスペンスフルな曲も超絶かっこよかったし、パリが舞台なだけにアコーディオンをフィーチャーした曲も味わい深かった。実はカセットテープでしか持ってない。CDが欲しい

意外と「ミッション・トゥ・マーズ」の音楽もよく、ウィリアムズにもゴールドスミスにも全然負けてないスペースサウンドを景気良く奏でていて、地味にオススメだ。映画はアレだが

そして、ああ、どうして公開時に買わなかったのか!!!「ザ・シークレットサービス」のサントラ、今でも超絶欲しい!!再販してくれないかな!!

80年代以降のイタリア映画のモリコーネと言えばやっぱり「ニューシネマパラダイス」は外せない。映画的にはどうかと思うところもあるのだが、たまにモリコーネが聴きたくて見返す。そして筋より映像より演技より音楽で強制涙腺解放させられる

トルナトーレ監督とのコンビだと「海の上のピアニスト」も素晴らしい。オープニングの霧の中から自由の女神が姿を見せるシーンの割と長めの曲だが、音楽の高揚感で何度聴いても聞き飽きない

昔の作品だと、テレンス・マリックの伝説的な「天国の日々」の伝説に負けない美しい曲もよい。メインテーマこそサン=サーンスのパクりだが、恋人2人のテーマがいつ聴いてもしんみり。

ベルトルッチとも中々の良いコンビだった。「1900年」の音楽は古典のような響きだ。「ある愚か者の悲劇」というベルトルッチ作品があった。後輩がイタリア輸入版のサントラ持っててそれに入ってた愛のテーマが忘れられず、日本での公開タイトルもわからずに断片的に覚えてるメロディだけを頼りにiTunesを数日探し回ってついに見つけた時の感動!!

でやっぱりレオーネです。
代表作「続夕日のガンマン」はサントラから先に入って聴きまくって勝手に超絶面白い映画を想像してある日ついに見てみたら、色々と微妙で完全に音楽に負けてた感が
ああ、でもメインテーマと「ゴールドのエクスタシー」聴いて燃えない奴はいないだろう

そして「ワンスアポンアタイムインアメリカ」もやっぱり名盤中の名盤ですよ。パンフルート一本で聴かせるあのテーマ曲とか世界中でモリコーネ以外に書ける人いるだろうか
悲しみの曲も、優しさの曲もワンアメのサントラは全部染みる

タランティーノの映画はだいたい嫌いで、「ヘイトフルエイト」も映画はクソだったけど、タランティーノとあの映画のおかげでモリコーネがその人生の終幕でオスカー受賞できたことには感謝したい


2004年だったか、モリコーネの来日コンサートに行った。当時のモリコーネの代表作をたっぷり堪能できる素晴らしいコンサートだった。数々の暴力シーンを彩った氏とは思えない、優しい笑顔とおっとりした指揮ぶりだった。
ありがとうございました、マエストロモリコーネ!
これからもあなたの音楽とともに生きていきます!!
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