ぼちぼち スウェーデン

スウェーデンで見たこと、聞いたこと、考えたことを、同時代に生きるみなさまとシェアーを!

あっ、池にヘビが・・・

2011-07-21 | 庭仕事の愉しみ

ある日、庭で電話していて何気なく池の方を見ると、なんと、ヘビ様なものがくねくねと泳いでいるではないか!

そうか、あれが例の”Vattensnok”だと、すぐに思い当たった。日本名はヨーロッパヤマカガというらしい。動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目ナミヘビ科ユウダ属分類されているヘビで、かなり一般的に生息し、成長すると全長2メートルにもなるとWikiに書いてある。

「繁殖形態は卵生で、1回に8-40個の卵を産む。繁殖に適した場所に複数のメスが卵を産むこともある」ともある。冗談じゃないよ、まったく~。

  家の中にも遠慮なく出没

じつは、先週、Cヤンが一匹台所に入りこんでいるのを見つけたばかりだ。本人いわく「先祖代々、人類に備わっている強敵に対する防御本能が突然目覚め」、カナヅチを持ち出して、「ヒステリックにメッタ打ち」をしたそうだ。ヨーロッパにおけるヘビと人間の関係は、アダムとエヴァ以来、あまり良くない。あの長いのが出没すると、多くの人は恐怖と嫌悪感でおののく。

メッタ打ちにしているうちに、尻尾に当たったらしい。そうしたらヘビは身動きができなくなったとCヤンは新しい発見をした。そんなことは、テレビの自然番組でよくやっているけどナ~。

とにかく、Cヤンの死闘は続き、ヘビは頭をメッタ打ちにされて一応死んだ。とはいっても、その後いつまでも動いているらしい。死ぬ前は強敵に出合うと、「仰向けになって口を開け舌を出し、総排泄腔から臭い匂いを出す擬死行動を行う」のも、Cヤンは学習した。

とにかく、Cヤンにいわせれば、台所の半分は血の海で、悪臭で満ち満ちていた(大きな声ではいえないが、たまたま外出していて運がよかったわたし!)。

お隣のカリーナはもの知りで、マムシではなく、ヨーロッパヤマカガだと判断した。彼女はその前に成長した1.5メートルくらいのを自宅の玄関先で見たという。やつらはどうやらこのあたりに棲みついていて、卵を産み繁殖しているようだ。そういえば、去年庭のオープン・コンポストの中ヘビらしきものの尻尾が消えていくのをわたしは見ている。コンポストはヘビが好む棲家であると、いま知った。困ったな~。コンポストは不可欠だから、細か目の網で包むしかないのか・・。

  二匹目のヘビ

そして今週、二匹目が出現したわけだ。しかも、鯉がいる池の中で。鯉はかなり大きいけどサイズの大きい親ヘビにはかなわないかもしれない。

とにもかくにも、その時わたしは話し中の受話器を放り出して、網を取りに走った。それからヘビを探して水際をつつき始めたら、蛙がのんびり浮かんでいるのが見えた。それが突然、手足を四方八方にピンと広げたまま泳ぎ出したのだ。ヘンテコな泳ぎ方なので目を凝らして見ると、なんと、くだんのヘビは自分が追われていることを知らずにか、蛙のお尻の部分をしっかりと口にくわえ、泳いでいるではないか!

それをなんとか網ですくい上げた。地上に放り出されたヘビは、自分の危機がやっとわかったらしく蛙を離した。命拾いした蛙は大急ぎで草むらに消えていく。まえにも書いた、蛙は庭のカタツムリをたべてくれる大切なお客さまだから、貴重な存在なのだ。

つぎにまた、Cヤンの活躍の場となった。例の「防御本能がまたまた目覚め」、手ごろな石を手にメッタ打ちがはじまった。臭いにおいを放つのは本当で、生存本能は人間だけに限らずじつにすさまじい。

しばらくして、まだ動いているヘビの死を確実にするために、Cヤンは台所用のハサミを持ちだして、なんと首をちょん切ったのだ。首を切るのはなにもサムライだけではないらしい。

  脅威がひとを変える?

ふだんはかなり温厚なCヤンの狂気ぶりはなんだろうと考えた。やはり、ひとは脅威を感じた時には思い切った行動をとるからだろうか。人や動物を殺すのも脅威感からと説明できるのかも。自分が先に相手を殺らなければ、自分が殺られる。戦争がそうだし、森に住むオオカミが自分の子どもを襲ったら、と考えただけでぞっとし、先手をうって相手を殺してしまう。事実、オオカミは法律で守られているのだけど、よく殺されている。

ふだんは何も悪いことをしないオオカミを恐れ、惨殺する地方人間を、われわれ都会人間は嘲笑うけど、今回のヘビ事件で地方人間の行動がよく分かった気がした。つまり、究極的にはだれだって同じ人間なのだ。

    ひとつ悩みの種ができた。それはカエルのような両生類や、トカゲなどの爬虫類同様、スウェーデンではヘビは法律で守られていて、捕獲は禁止、殺すことなど当然ご法度であることを、今回、Wikiで知ってしまったことだ。 池の鯉を心配し、家の中を這いまわっているのを想像するだけで、憎さが倍増するけど、法律では殺すことはできないのです。 ますます、オオカミが気になる地方人間に似てきたな~。

 

  我が家のヘビ。チョン切られた頭はいつの間にかなくなっていた。

 

  Wikipediaのヘビ。ちょっと違うような気がするけど。

 浮草の上で休む蛙。


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