ぼちぼち スウェーデン

スウェーデンで見たこと、聞いたこと、考えたことを、同時代に生きるみなさまとシェアーを!

トルコのリゾート(3)-オール・インクルーシヴの旅

2012-08-28 | 旅行・食べある記

 

All inclusiveを直訳すると「いっさい込み」。そのような旅行だと、いっさい込みのツアーとなる。

まづ、食事と飲み物は全部込み。朝、昼、晩ごはんはビュッフェ式で、各々時間内に行って食べればよい。料理はなくなるまえに次々と新しいので補充される。感心したのは、お寝坊した人たち用に「遅い朝食」という、10~11時の時間帯があることだ。日曜日を除いて、ホテル内のディスコが連日深夜の2時まで開いているから、朝遅い人がいて当然だろう。

毎食とも、5列並んだ台の上から、好きなものを順に選んで行く。メインはホットで肉あるいは魚のほかに、ご飯、じゃが料理、温采などが数種類並んでいる。外にグリルがあり、朝は卵焼きやオムレツをつくってくれ、夜は肉や魚が焼かれる。

 

 

 

 

  

前菜はお得意のメゼで、さまざまに工夫を凝らした冷料理がずらっと並ぶ。ヨーグルトやチーズの種類が豊富で、それがふんだんに使われている。焼いたナスにピリ辛のトマトソースが付いたのと、ブドウの葉で肉とご飯の具を包んであるのが、わたしの気に入りであった。

3台目は生野菜が大満載で嬉しかった。たいそうな量と種類である。薄切りにした大根まであったのには驚いた。太陽がいっぱいのおかげでどれも美味しい。

4台目はデザートでケーキ類と果物がわんさとある。1週間で毎日あれほどケーキを食べたのは初めてであった。5台目は、コーヒー紅茶の他に、季節の果物が山盛りになっている。

  

 

おやつの時間もある。この時間は楽しみだった。というのも、他にもいろいろあるが、とくにトルコの伝統らしい独特のおやつを実演付で食することができたからだ。

写真のように楕円形のキジをうすくのばし、真ん中に具を入れ、端を折り込んで楕円形に仕上げるのだ。それを鉄板で焼いているのが左上に見られる。具はジャガイモに羊肉のミンチ、玉ねぎのみじん切りにホウレン草、羊のチーズなど、前もって調理してあるのを用いる。これが微妙においしい。ひとのことは言えないが、典型的なおばさんが毎日午後、プール際に座り込んで焼いてみせた。

 

 

 

 飲み放題 10時―23時

ソフトドリンク、ビールにワインは朝から飲み放題。ホテルに2カ所あるバー近辺に座り込んで、朝から晩までアルコール類でのどを潤せる。言っとくけどアル中はいなかった。旅行にかけるお金があれば、家で飲むほうがたくさん飲めるからだろう。とはいえ、しっかり飲んでいる人は確かにいた。

この国は輸入税が高いので、アルコール度の強いのは国内産だけで、ジン、ヴォトカと、ラキがあった。ラキはご存じ、水を注ぐと白色に変わる飲み物だ。少し甘みがあってアニスの香りが嬉しい。炭酸水で割ったりして飲むとおいしい。

 バーはかなり繁盛中。

 

 

 夜になるとすこし涼しくなるので、プールサイドで飲みものを前にくつろぐ。

   

 

    

 

 

 

 


となりのおやじが引っ越す

2012-08-25 | 人々のくらし

 

快挙!となりの(クソ)おやじが引っ越すのを知った!

ある日、おやじの家にこんなものが付いているのを見つけた。

 

 

 

この看板は、家の売却を担当する不動産会社のサインだ。日を決めて、家が一般公開されるという意味もある。興味のある者は、だれでもそのときには家の内外を見ることができる。

おやじの家は、明日の日曜日の午後に公開される。翌日の月曜日の夕方にもう一度見る機会がある。そして、購入希望者による入札がはじまり、最高価格を付けたものが入手するシステムだ。

家を探している人は、ネットで全国を検索できる(たとえばhttp://www.hemnet.se/)。一軒建てだけではなく、アパート(マンション)、別荘、農場、住まいならなんでもありだ。ネットでかなり詳しい情報を得ることができる。興味のある方はおやじの家をご覧ください。写真では、なんだか実物よりきれいに写っているが・・

http://www.jagholm.se/objekt/alla.aspx?crumb_item=3

上をクリックして出てくる画像の一番上の欄の真ん中がそれ。さらに家の写真をクリックすると内部もみられる。他に間どりその他、細部情報の記載がある。

明日と明後日は家を見来る人たちの車がずらっと道路に並ぶだろう。おやじがいなくなるのは嬉しいが、どんな人が替わりに入ってくるのか、ちょっと気になる。まあ、おやじより「怪物度」がたかい人間はあまりいないだろうから、その点は安心していいかも。

 

参考: 以前の記事2010-08-06 「となりのおやじ ― ストックホルム郊外の近所付き合い」

http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=db5320b3b72c0ec4fece5340f348ca86

 

 


ノルウェー人テロリストに判決くだる

2012-08-24 | メディア情報

昨年7月、同胞を大量殺戮の容疑者、アンデシュ・ベーリング・ブレィヴィク(Anders Behring Breivik) の裁判は、4か月にわたる公判のすえ、本日判決が下された。それは死刑のないノルウェーでの極刑で21年の禁固刑であった。判決文は100ページあり、それを読み上げるのに一日中かかった。裁判は10時に始まり、休憩を入れながら判決の読み上げが終わったのは夕方6時に近かった。

この裁判の一番の論点は、ブレィヴィクの精神状態が「正常」か「異常」かというところにあった。本日の判定では、ふつうに物事の判断ができる精神状態で責任能力ありとされた。正常な精神をもつとされる青年が、あまり世間に受け入れない思想をもち、それに忠実な犯行をおこなったといえる。

彼の住む世界は国粋主義のそれである。ノルウェーを含むヨ―ロッパはアラブ系人種の大量移住により、国を乗っ取られる、原住民(!)であるヨ―ロッパ人の存在が脅かされている、と信じこんでいるのだ。その「イスラム化」を推進するノルウェー政府や労働党の動き身をもって制止する行為であった。

そうして大量殺人をやってのけた彼は自分を正義の味方、正々堂々、勇敢な騎士だとみている。立派な確信犯なのだ。それで、裁判で精神異常者の犯行とされることを恐れた。「病気」のためと判定されると控訴し、裁判を続けるつもりであることを宣言していた。

彼は今回の判決を受け入れた。それを聞きながら、満足そうにうす笑いをしているのをニュースでみられる。禁固期間の21年は最高であるが、それ以降は5年単位で無制限に禁固を延長できる。文字通り終身刑とすることが可能である。

  

  Breivik i rättsalen inför domen. Foto: Heiko Junge/Scanpix.

http://sverigesradio.se/sida/gruppsida.aspx?programid=4180&grupp=17419

 

今のところノルウェーの人たちの多くは、ブレィヴィクを一生閉じ込めておきたいようだ。釈放されると何をしでかすか分からないと恐れているのだ。彼の持つ思想に共感を抱く者も増えるだろうと危惧する。

今日の判決には、被告、検察側、世論の3者が満足している。

これから長い月日をブレィヴィクは刑務所で過ごすわけだが、彼には3部屋与えられるとラジオで聞いた。1部屋は寝室、2つ目は勉強部屋でここでパソコンを使用して読み書きができる。3つ目の部屋は居間のように利用し、マスメディア等との面談はここで行うという。このような特別な扱いは、ブレィヴィクを徹底的に他の受刑者から隔離するためである。彼の持つ思想がウイルスのように広がっていくのを警戒しているのであろう。

参考:2011年8月28日ブログ「ノルウェーのテロ事件」

http://blog.goo.ne.jp/stockholm_1966/e/a6283aaa8962db4db8d7352b8ddd8707

 

 


ここにもある「オレオレ」詐欺

2012-08-21 | メディア情報

昨日、オレオレ詐欺の疑いで、45歳と47歳の男性の公判が始まった。

137人の高齢者が被害にあっているが、暗数はもっと多いだろうと当局はみている。

まずネットで80歳から100歳の高齢者を検索する。そして、「すぐに金が要る」という電話をかける手口は日本と同じ。

被害にあった92歳の女性の話だと、孫を名乗る男から「車を買うのでお金が要る、3万クローナ(約34万円)を用意してほしい」という旨の電話があり、銀行から現金を引き出した。車のディ―ラ―をよこすので、その男にお金を渡すようにとの指令である。また、金額が不足しているので貴金属があれば、それも一緒に渡すようにとあった。

その女性は、孫はアメリカにいるはずだし、おかしいなと思いつつもお金を用意し、使いの男を待った。男が訪れた瞬間、騙されたと分かったが何か武器をもっているかもしれないので恐ろしく、そのまま現金と貴金属を渡たしてしまった。

彼女は証人としてたった裁判の席でその男たちと対面したが、視力が弱く、彼らを判定することはできなかった。

検察側は、防犯カメラにある映像、男たちのパソコンならびに携帯の通話記録を証拠としてあげている。

男たちは数件を除いて、全面的に犯行を否定しており、全国を渡り歩いたのはカーペットを売るためだったと主張している。

なんだかため息がでる話だ。手口は日本からヒントを得たのか、それとも人間が考えることは同じなのか?裁判は10月初旬まで続く予定。(DN 2012-08-21) 

 


オルターナティブな五輪メダルリスト

2012-08-14 | メディア情報

ふつう、五輪で得たメダル獲得数は、国別に金、銀、銅メダルの獲得総数を表示する。

今回の結果は、1位USA、2位中国、3位イギリス、4位ロシア、5位韓国。続いて日本は11位、スウェーデン37位となった。

ところで、8月13日の日刊紙DNに面白いランキングがでていた。人口と、GDP、ならびに競技に参加した数員比較でランキングを割りだしたのでる。

たとえば、人口比較ではグレナダという国が1位となる。この国は金メダルを1つ獲得しただけであるが、人口はわずか11万人。ちなみにメダル全部合わせて100個以上のUSAは人口が3億なので、順位は50位となってしまう。

 

人口比

1位グレナダ(メダル数ランキングでは50位)、2位はジャマイカ(18位)、3位ニュージーランド(16位)、4位トリニダード/トバゴ(47位)、5位バハマ(50位)と続く。

以下、USA50位、中国75位、イギリス24位、ロシア34位、韓国38位。日本は51位、スウェーデン26位。

 

GDP比

1位はやはりグレナダ、2位もジャマイカ、3位モンゴル((メダル数ランキング56位)、4位グルジア(39位)、5位北朝鮮(20位)。

USA70位、中国58位、イギリス45位、ロシア36位、韓国47位。日本71位、スウェーデン52位。

 

出場選手数比

1位ボツワナ(69位)、2位ジャマイカ(18位)、3位中国、4位イラン(17位)、5位ケニア(28位)の順。

USA8位、イギリス18位、ロシア10位、韓国22位。 日本16位、スウェーデン60位。

 

五輪にあまり興味がなくても、このようなランキングは別の意味で面白い。

なお、DN紙には84位までが紹介されている。詳しくは最初に記事を載せたThe Guardian紙を検索してみるとよいかも。

 

 

 

 


トルコのリゾートに来てしまった(2)

2012-08-12 | 旅行・食べある記

すし詰めの飛行機は古いボーイング機でちょっと気になったが、3時間ばかりで黒海沿いにあるアンタリュヤ(Antalya)に、到着。着いたらガイドさんとバスが待っていてくれて楽ちん。自分で計画の旅行なら、ここで目的地までの交通の便を探してうろうろするところだ。今回は金魚のウンコのように、前の人にくっついて歩けばよい。バスで1時間ほど南下し、カメール(Kamer)という小さい町に着く。

ここの冬の人口は8千人ばかりだが、夏場はその10倍に膨れ上がる。文字通り夏場のツーリストで成り立っている町だ。建物は主にホテルと食べ物とショッピング関連だけど、住民の98%がイスラム教で、町の中心に立派なモスクがある。お祈りはスピーカーを通して町中に流れるが、朝一番は4時。ホテルの部屋から近いのでよく聞こえる。しかし、慣れは恐ろしい。次の日からは朝のお祈りで目を覚ますことはなくなった。また、どこかにおんどりが飼われていて、結構熱心に声をはり上げるのもご愛嬌。

 

ホテルのバルコニーからの眺め。このモスクから1日に数回お祈りがスピーカーから流れる。

テノールで、高らかにうたいあげるが、ちょっと演歌のこぶし的な節回しに似ているところもあり、なかなかいい雰囲気。

  

 

とにかく暑いのでホテルのプールへ直行する。水温が高いので驚くが、日本でもそうなのを思い出した。プール際でビールなどを飲んで渇きをいやす。なんだかぜいたくしているな~という気分になる。

状況が単純で分かりやすく、サンクトペテルブルグの博物館を選ばなくてよかったな~と再確認(本当はいけなくなってしまったのだけど、まぁ、いいか。8月9日のブログ http://blog.goo.ne.jp/stockholm_1966/d/20120809)。

  

 

ホテルのすぐ横に週1回の市がたつので、のぞいてみた。新鮮な野菜、果物、魚のほか、スパイス、家庭用品などが売られていた。 スイカはよく熟れていて、とても美味しい。

  

  なんでも豊富で美味しい。北方に住む人間には羨ましいかぎり。

 

 

ついでだが、頭をおおう布のかぶり物、市場ではヒジャブを付けている女性が目立った。トルコはイスラム教の国でも女性にかぶり物を強制していないが、年配の女性は付けていて、若い人は少ないように見えた。

  http://www.google.se 

 

 下がニカブ。全身を布で覆う。これは前にイスタンブールで撮った。

 

 

  

 

 

 


トルコのリゾートに来てしまった

2012-08-09 | 旅行・食べある記

ことの始まりは、ある航空会社からの一通のメールであった。

たまっているボーナス、xxxポイントを消化しないと、一月後には消滅するという通知であった。そのくらいのポイントでは遠くへはいけない。それで、サンクトペテルブルク行きとなった。この地はかってのロシア帝国の首都であり、見応えがあるところがもり沢山あるようだ。ガイドブックを図書館から借りてきて、ちらほら拾い読みをしたりして準備をすすめた。

ロシアに入国するのはビザが必要である。駐瑞ロシア大使館のホームページをみると、ビザは申請の即その日か、またはその次の日に発行されると書いてある。それでも念のために、一週間ほど前にネット経由で申し込んだ。

次の日、大使館から返信が来た。現在、大使館ではとても処理できない仕事量を抱えているので、xxxという旅行代理店に連絡するようにとあった。その業者はホテルの予約も行っているとある。えっ、なんだかおかしいメール???

すぐにそちらに電話した。「はい、ビザ申請の代行は行っております」。ロシア語なまりのスウェーデン語で明快な返事がかえってくる。

「出発はいつですか」

「今週の金曜日です」

「間に合いませんねぇ。手続きには7日のワーキングデ-が必要です」

ちょっと待って!7日プラス週末2日、合計9日ではないか!そんなことは一行もHPに書いてなかったぞ!!ロシア大使館にかけあっても全然らちがあかず、結局、金曜日には出発できなかった。わたしの切符は無料に近いが、同行のCやんはフルプライスを支払っている。

なんとしても納得がいかないので、再度ロシア大使館にHPには正確な情報を記載することと、航空券代を弁償するようかけあう。なんだかこんな苦情に慣れているのか、ちんぷんかんぷんな規則とやらをならべたてるのには感心した。

HPを更新しなくてもあちらさんは困らないらしい。困るのはビザが必要なわれわれだけ。サービス精神はまさしくゼロ。60年代にシベリア経由でストックホルムにやってきたときのインツーリストのサービスからあまり変わっていなのじゃない?

 

 でも、どこかへ行きたい!

旅行に出かけるムードになっていたので、不満がのこる。それでネットで検索、売れ残り切符を調べると、あごあし付き一週間のトルコ行きがあった。文字通りのあごあし付きで飛行機、ホテル、それに三食昼寝付きである。食事は全食付き(all inclusive)で、朝、昼、晩ごはん以外に飲み物や軽食などが、朝から夜まで飲み放題、食べ放題なのである。何も自分でする必要がなく、全部おまかせで一週間過ごせる。

いたく気に入った。

ロシア文化などくそくらえで、いっきに海と太陽しかないトルコに鞍替えした。

 

   〈続く〉

 

 

 


その昔、洗濯は手でしていた

2012-08-02 | 日々雑感

いつものように、洗濯物を目いっぱい放り込んで機械を回した。

しばらくして洗濯室を覗いてみると、機械から遠慮なくお湯がじゃあじゃあと床に流れ出ているではないか。洗濯機は酷使されるのに飽きて自死を決めこんだらしい。新しいのを買うしかないようだ。

それは仕方ないとしても、いっぱい放り込んである洗濯物はどうなる?どうなりもしない。お前が始末するのだろう?ということで、手で洗ってゆすいだ。

大量の洗濯物と取り組んでいる間中、なんだか気持がよかった。そして昔むかし、子どものころ、洗濯物はぜ~んぶ、手でやっていたことを思い出した。

一番最初に生まれた子どもは、家事をたくさん手伝う運命にある。それが女の子であればまず間違いはない。

その女の子であったわたしは、毎日、コンロにかかったお釜でご飯を炊いた。スイッチを入れるのではありませんゾ。細かく割った薪をくべて炊いたのだ。毎日、コンロのそばで火の番をしながら、本を読んでいた記憶がある。べつに苦痛ではなかった。同様に、たらいにはいった洗濯板を手で洗った記憶もある。毎日洗ったかどうかは分からないが、木でできた洗濯板というものを使って、文字通りごしごしと洗った。

今日は洗濯物を手で洗ったおかげで、昔の思い出とつながって、こころ懐かしいものとなった。わたしも、父も母も、そしてきょうだいも、とてつもなく若かった。その父母はいまはもう亡い。

これからも時々、手で洗濯してタイムマシーンに乗り、昔に戻ってみたい。


他人の森に入る権利

2012-08-01 | 人々のくらし

 アッレマンスレッテン (allemansrätten)

昨日書いたように、なぜ外国からたくさんの人がスウェーデンにやってきて森でベリーを採集できるのか、ちょっと説明が必要であろう。

アッレマンスレッテンは、スウェーデンに古くからある慣習法で、誰でも他人の所有する土地に自由に出入りでき、そこでテントを張ったり、キノコやベリーなどを採集できる権利を保証している。それを日本語では「自然享受権」というらしい(Wiki.)。

もちろん、常識・良識をはたらかせ、住まいがあればその邪魔をしないように心がけるべきだし、森を荒らしたり、ゴミをすてたりもしないのは当然のこととされている。

詳しくは自然保護庁のホームページに出ているので下をクリックされたい。http://www.naturvardsverket.se/sv/Start/Friluftsliv/Allemansratten/

 

この法の骨子は、自然の素晴らしさを享受できる権利を誰にでも、旅行者にまで提供していることだ。我々にとって素晴らしくありがたい法である。

しかし、この習慣法ができてから月日が経ち、社会は大きく変貌した。自宅用に必要なベリーなどの採集に近所の森に入るのがこの法ができた頃の常識であった。しかし、現状はもっと複雑だ。昨日書いたように集団で長期間テントで寝泊りをすると、ゴミがでるし、森が荒れる。たとえばベリー摘みに来た人たちが引き揚げたあとは、地元のコミューン(自治体)が掃除をしなければならず、かなりの費用がかかる。それに、ときには村で盗難事件なども発生する。

また、旅行会社が渓流をゴムボートでくだるグループ・ツアーなどを計画し、他人の森に入り込んであたりを荒らすので少し前に大問題となった。

このすばらしい個人を対象とする習慣法を、ビジネスに利用(悪用というべきか)する傾向がでているのである。法は環境法の一環として多少修正されているが、市民の権利を制約することなく、どの程度まで具体的に明文化できるかは、これから取り組むべかなり微妙で難しい課題であると思う。