開票にまつわる話題の提供です。
1.残り3議席の行方
投票日に行われた即日開票では、保守ブロックは172議席、赤緑ブロックは157席を獲得しているが、いまだ3議席の行方は不明である。事前投票と海外からの票読みがまだ残っているからだ。
今日中、あるいは木曜日午前中に全部票読み作業が終了する予定である。
とはいえ、今日午後、保守ブロックはさらに1議席獲得した。のこりの2議席をとれば過半数となり、ブロック単独で政治をすすめられる。
なお、開票状況の詳細を知りたい人は、現在オンラインで見ることができる。
略語党名の解説をすると:
M=穏健党、C=中央党、FP=国民党、KD=キリスト教民主党、
S=社会民主労働党、V=左翼党、MP=環教党、SD=スウェーデン民主党、ÖRV=その他
2. 地方選――穏健党党首の地元で惨敗
穏健党党首フレデリック・ラインフェルトの住むストックホルム北部のテービィ・コミューン (Täby Kommun. コミューンは市町村に該当する基礎自治体)では穏健党が大きく後退した。
今回の得票率は41.8%で、前回2006年より11.2%も少ない。それまでは穏健党が単独政権をとっていた。
穏健党の議員たちはお手盛りで自分たちの収入増加をはかったり、極端な民営化至上主義政策をとり、公共の学校や保育所などを廉価で売り、買主はそれを転売して巨額の利益を得るなどを可能にしたり、また、利益をあげるために保育所の子どもの定員を増やすなどを、かなり遠慮なく行ったため、
さすがの穏健党のサポーターもあきれたらしい。穏健党が失った票はそっくりそのまま国民党に流れた。
地方政治ではブロック制をとるとは限らないが、一応、保守ブロックは合計で79.5%の得票率で、赤緑ブロックは19.0%である。左翼党などは1.3%しかないので、当然、市議会に代表を送れない(その他、赤緑ブロックでは、社民12.2%、環境党5.5%)。22日19時時点での国会レベルでの得票率は、穏健党が29.8%、社民党が31.2%, 左翼党が5.6%なので、この コミューンはかなり特別であるのがわかる。
とにかく、テービィは民営化が好きだ。88か所にある保育所なども、1つを除きのこり全部は株式会社だ。
各自それぞれ独立経営体なので、子どもの入所希望は各保育所に個別に申し込まなければならない。
地方新聞にあるお母さんが、17か所の保育所にそれぞれ入所を申し込まなければならなかったと述べていた。
ふつうは、自分の住む自治体に申し込んでおくと、適切な入所先を斡旋してくれるので、自分で探しまわらなくてもすむ。
このテービィ・コミューンは、行き過ぎた民営化や自由競争は、かならずしも良策でも効率的でもないという好例である。というわけで、このような穏健党離れが、他の裕福な自治体にも見られる。
3.アンチ・スウェーデン民主党の動き
スウエーデン民主党(以下SD)が20もの議席を獲得したので、国中いま大騒動である。SDはこれまで、スウェーデン南部の自治体では、コミューンと県レベルでじわじわと得票率を伸ばしてきたのに、あまり真剣にとりあげられることはなかった。
それが国会レベルになり、かれら議員たちがストックホルムの議会場に出入りするのが現実となると、みんな大慌てにあわてている。抗議集会もあったが、今日は夕刊紙アフトン・ブラ-デットが「アンチ・SD.クリック」キャンペーンを始めた。
同紙の編集長の名前で、「わたしたちは外国人排斥がきらい。色々な人が混じっているのが好き」というキャッチに賛成なら、画面をクリックするというやり方でSDをけん制している。現時点までで36万人近くが賛同のクリックをした。その他、Facebookなどでも大々的にキャンペーンがはられているようだ。
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