ぼちぼち スウェーデン

スウェーデンで見たこと、聞いたこと、考えたことを、同時代に生きるみなさまとシェアーを!

ジム文化考

2011-10-28 | 旅行・食べある記

 

今、出版準備を進めている高校介護要員養成過程の教科書の中に、1週間に3~4回、30分ほどの散歩をすると、体の骨が鍛えられ、骨粗鬆症が防げるとある。つまり、体は使わないと衰えるのだ。

また、カロリンスカ医学研究所実施の調査によると、スウェーデンでずっと運動をしてきた70~80歳の人たちの平均体力値は、18~19歳並みであったとも書いてある(体力値は酸素吸入力を測ることにより測定される)。調査時、大多数のこれらの高齢者(?)はオリエンテーリングの競技に参加していたらしい。そんなこと、今更いわれても遅いよね、まったく。しかし、できる範囲で何とかしようと思うのも人情だろう。

ジムに通う

ふだん、机に向かっていることが多いので、週に2回はジムに通う。スウェーデンのジムには、機械や道具類をウンコラと押し上げたり引いたりするのがあり、それは通常、「ジム(gym)」とよばれている。多分日本でも、同じようなものだろう。それと、もう一つ「ユンパ(jympa)」という、体操とエアロビの中間のようなものがあり、参加者が多い。

体を動かすのは面倒だ。しかし、覚悟してやってしまうと、なかなか楽しい。スピーカーから流れる音楽に合わせて体を動かすのはとくに楽しい。ユンパを指導するインストラクターが若いと、流れる音楽もエネルギーに満ちており、ラップやパンク調が多い。ところが中年の男性インストラクターだと、「♫お尻をたたくぅ~♪、♫お尻をたたくぅ~♪」なんて歌詞に合わせて、本当にぽんぽんとお尻を叩く。常識ではそんなこと、あほらしくてやってられないと思うのがふつうであろうが、ユンパでは違う。誰もが子どもにかえって無邪気にお尻をぽんぽんやっている。

 

 

金曜日ユンパ:真ん中、右よりの赤い女性がインストラクター(撮影:Kjell Lindqvist)

 

スウェーデンと日本の”ジム仲間”

今のジムに通い始めて4~5年は経っている。しかし、そこで得た挨拶の ”hej” 以上の言葉を親しく交わす人は、わずか数人。その他、目があうとにっこりし合う人が10人くらいあるだろうか。その他の殆どは、お互いに知らん顔だ。ジムでも誰もがひとりで黙々とやっているので、とても静かだ。もうちょっと何かあってもいいじゃん、と時々思う。

日本では数回、ある区営のジムに誘われていったことがある。エアロビだったが、最初から顔を見て「こんにちわ~」と多くの方から親しく挨拶された。この次は何を聞かれるかが、ちょっと心配になるくらい親しげであった。練習場は狭く、多くの方がインストラクターに合わせて、寸分の違いなく動作を合わせられる。わたしは初めてで、手足を動かす順序も、もちろん初めて。おまけに前に膝を痛めて手術しているので、あまり無理ができない。全然ついていけないので、すごく目立つ。かなり窮屈に感じた。

一方、スウェーデンでは、各人かなりばらばらで、けっこう好きにやっている。疲れたらマット(これは腹筋運動に使用される)に寝そべったまま一息つく。足などが痛い人は適当に自分に合った動作をやっている。何をやっても誰も気にしないので、気楽だ。

とにかく、スウェーデンと日本のジム文化は両極端なので、同じジムに通う日本人のSさんと、「ちょうど、中間がいいのにね」と言い合ったことだ。

モロッコはどうか

かなり前、モロッコのアガジールという、海と砂漠以外になにもない観光地にいったことがある、観光地といっても、多くのヨーロッパからのツーリストは、水と太陽さえあればOKなのだ。

泊まったホテルの掲示板に、エアロビがあると書いてあったので、喜んで出かけていった。ホテルの地下にある広い場所だが、もう、静か。2分前になっても誰も来ない。なんだか悪い予感がすると思っていたら、果たして時間から1分過ぎに、黒い髪を豊かにたらし、大きな目を輝かせた女性がやってきた。インストラクターだ。黒いタイツを身に着けていて、格好良い。

そして、彼女とわたしの二人っきりの、「エアロビ」が始まった。部屋の壁は鏡張りで、壁際にバレーの練習場のように手すりというか、バーがついている。インストラクターはそのバーを握って、「ア~ン、ドゥ、トロワ~」の掛け声とともに、足を前後に振りはじめ、私にもやれという。えっ、これがエアロビ?といっても、そこから逃げだす勇気もなく、仕方なく30分間、彼女と共に「ア~ン、ドゥ、トロワ~」を何度も繰り返すはめとなった。

エアロビといっても、ご存知、イングリッド・バーグマンと、ハンフリー・ボガード主演の名画「カサブランカ」の時代そのもののようだ。映画は1942年に公開されたが、その時代のまま、ずっとストップしたままのようだった。フランス語を使うのもフランス領だった名残だろうか。ちなみに映画の舞台になったカサブランカは、わたしのいたアガジールからそんなに遠くはない。

とにかく、モロッコ流エアロビには一回でへきえきして、二度といかなかったが、ある日、プール際で本を読んでいたら、くだんの彼女がわたしを見つけて呼びに来るではないか!もちろん、行かなかったが、それからはホテルでは彼女に見つからないように、こそこそとしなければならなくなった。

という、わたしのジム文化の体験比較でした。


スウェーデンの紅(黄)葉

2011-10-28 | 人々のくらし

  

10月も最終週に入った。

曇り空なら朝9時でもどんよりと暗く、そぐそばに控えている冬将軍の存在をひしひしと感じるこの頃だ。最近、もう何度か霜が降りている。野菜畑でまだがんばっている中国菜も、霜よけカバーをかけてはあるが、あと何日もちこたえるだろう。

黄色が多いスウェーデンの紅葉であるが、それなりに美しい。とくに早朝は自然全体にもやがかかっており、メガネをかけないで外を見るような感じで幻想的だ。

下の写真にある、お隣の白樺の大木も見事に真っ黄だ。ただ難点は、葉のほとんどが我が家の庭に落ちることだ。家の芝生の上も、上に負けないくらい真っ黄になっている。これが右側のお隣だと、きっと落ち葉の掃除に来いと文句をつけられるだろう。何しろ、我が家から伸びている木の根が、自分の家の菜園から水分を吸い上げるので、木を切れといってくるつわものじじいの住まいなのだから。

あと、一週間もしたら落葉樹の葉っぱは全部下に落ちていて、裸の枝だけが残る光景になるだろう。それもまた、悪くない。  

     

 東洋系で、庭で一人(?)で、がんばっている日本のもみじ。

 

下は散歩道沿いの紅葉。例の公園墓地近辺だ。