昨日の朝日新聞です。「初の病院輸出へ」とあります。ロシア・中国・ベトナム・カンボジアに今秋、官民一体で日本の「医療」を輸出します。
今や、なんでもグローバル化です。医療も例外ではありません。
昨年インドは73万人、マレーシアは72万人、韓国は8万人の外国人患者を誘致しています。どの国も医療をサービスを提供する産業ととらえ、国際マーケットでの市場拡大を狙っています。
日本には、実は以前から同じ事を考えている派とそうでない派があるようです:
日本医師会はこう考えています→危機にさらされる日本の医療
1.医療の産業化・市場開放はメディカルクラスター(医療関連施設と企業の集合体)の出現をまねく 2.高額自由診療・外国資本の医療進出で国民のだれでも/いつでも/どこでも同じ医療が受けられる権利が奪われる
3.国民皆保険が崩壊し、貧富の差による治療格差拡大・医療水準低下・非生産部門からの安易な撤退が生じ、結果として国民がひどい目にあう
一方国はこう考えます→経産省「医療産業研究会報告書」
1.これからの医療は「医療生活産業」という利益を産む一大産業分野であり、産業の質の向上には競争原理が不可欠
2.そのためには医療生活産業の国際化・自由な市場を通じた資本の蓄積・市場拡大・民間保険の活用が必須~医療の国際化の例:医師・病院・医療機器・医薬品の輸出、外国人患者(ロシア・中国富裕層など)の受け入れ、医療ビザの発給
3.公的年金ではカバーできない需要は民間にまかせる、という自律性が望ましい
というわけで、人は誰でもポジショントークですから、両方の考えをよく聞いて、一国民として医療について思いをはせる、のも必要かと。
市場を国際的に開放するか否か、の問題としては農業分野ではTPPが話題ですし、漁業権についても東北で賛否両論ありますし、医療もまさに生活に直結する問題です。
ざっくり言うと、これからの時代、日本のあらゆる分野に海外企業クラスターやら海外大資本やらが進出して競争が激化するけど、どうする?ということでしょう。
ちなみにすでに医療の自由化に挑戦している病院のHPもあります。
医学部受験生には、是非両者の主張の一読をおすすめします。
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