百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月15日 晴
下士官室でお金が無くなったという話が伝わって来た。初年兵は外出出来ないので、お金の必要が無い筈。下士官は外出できる日があるので、お金を使うことが出来る。お金を必要とする時もあるだろう。しかし誰が拝借したかは判るまい、と私は思った。
朝食が終わった時、班長が一寸班長室に来てくれ、と言う。T班長は飯山の者で嘗ては近衛兵だったこともある老兵で、同郷の誼で私は親代わりと思い慕って居たので、着いて行った。
班長は困った様子だったが、重い口を開いて言った。「お前の手箱のお守りの中から10円札が出たのだ。正直に話してくれ」と。これには驚いた。他人事と思って居たが、下士官室から10円札を盗み取った犯人が俺だと決めつけられたのだ。
誰かが、私を犯人に仕立てたのだ。思い当たる者は浮かんでこなかったが、私でない証拠を示さなければ疑いを晴らすことにはならないと思って焦った。
「自分の手箱に入って居たお守りは入営するときに伯母から貰ったものです。若しかすると、伯母が入れて呉れたのかもしれません。自分が入れたのならば、その札に自分の指紋が点いているでしょう。伯母の指紋も自分の指紋も点いて居なければ、第3者が入れたのではないですか。指紋を採って自分の無実を明らかにしてください。」と真剣に訴えた。
班長は「判った。疑ってすまん。」と言ったが指紋は採らなかった。しかし、お守りも札も戻っては来なかった。この件をM曹長に話したところ「指紋とは名案だったなぁ!」と言った。
この件は有耶無耶のままに消えたのか、犯人が摘発されたという噂も聞こえては来なかった。
百歳に向ってもう一度 歩いて世界一周 3月15日
日数「日」 |
総歩数(歩) |
総距離(m) |
平均歩数(歩 |
|
今 日 |
1 |
25,172 |
17、620 |
|
今 月 |
15 |
376、190 |
263,333 |
25,079 |
今 年 |
74 |
1,740,529 |
1,218.370 |
23,521 |
2005年から |
3,688 |
56,211,774 |
39,348,242 |
15,242 |
70歳の誕生から |
7,220 |
138,161,905 |
96,713,334 |
19,136 |
ワシントンからアメリカ大陸横断へ、デンバーに向って後 1,611,758m