olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

中国旅行(13) モンゴルの草原で乗馬

2020-06-17 | 旅行


さて。

モンゴル草原ツアーのメインは
乗馬でした。

私も友人も、乗馬などしたことがありません。
ホンモノの馬を
間近で見たことすら初めてだったかも。

でも、気楽に参加しました。
だって、こういうのって、
ガイドさんが1頭1頭の手綱を引いてくれたり、
一人で乗るにしても
よくしつけられた馬が一列に並んで
ゆっくり歩くものでしょう?
素人でも危険がないよう配慮され、
「乗馬の真似事をちょっと楽しむ」程度よね。
それなら楽勝。


こちらは久住(大分)での乗馬散歩。小学生でも安心。
これこれ、こういうイメージ!

・・・のはずだったのですが。
我々は、
農耕民族と遊牧騎馬民族の常識の違い
身をもって知ることになったのでした。


ガイドさんはとても若い男性でした。
もしかしたら高校生くらいの年齢…?
この仕事に慣れていない
新人だったんだろうな。

でなかったら、
あんなことにはならなかったと。


最初、彼は、2頭の馬を連れてきました。
そして、我々に、「乗って」と言い、
どこかに行きました。

え?放置?
乗るって、どうやって??

「???」となりつつも、
間近で見る馬に喜ぶ我々。

次に登場した時は、
ガイドさんも馬に乗っていました。
そして、相変わらず馬の隣に佇む我々を見て、
「…まさか乗れないとか?」
と察したのでしょう。
彼は、一瞬、笑いをかみ殺し、
すぐにポーカーフェイスを装って
乗馬を手伝ってくれたのでした。


それで「こいつら、乗れない」
と分かったはずよ。
でもね、彼は、また自分の馬にまたがったのです。

そして、「あの湖まで行きます」と地平線を指さす。

え・・・
地平線しか見えないんだけど、どこ?
ああ、言われてみれば、
地平線の辺りが、キラッと光ったような・・・?
もしかして、あれ?!

嘘でしょう!と
戸惑う我々を見て、
「埒が明かない(ていうか、時間がない)」
と思ったであろう彼は、
「行きますよ」と進もうとする。

でも、私たちはね、馬、初めてなの!!
どうやったら動いてくれるのよ。これ。
オロオロする我々。

ガイドさんは
やれやれとばかりに戻ってきて、
騎乗のまま、
私たちの馬のお尻を叩きました。


馬、いきなり走り出す。


ちょっとまってーーー!!!


私たちは大慌てです。
でも、馬は走る。
しがみつくしかない!

彼は、すぐに我々(の馬)を追い抜き
先頭を疾走しはじめました。
私たちの馬も、追いつこうと必死に走ります。

つまり、3頭で全力疾走ですよ。


馬、初めてだっつーーの!!!


もうね、何がなんだか分からない。
とにかく、しがみつくので精一杯。

ガイドさん、
あなたは遊牧騎馬民族でしょうからね、
人間なら、当然、馬くらい乗れるものだ
とでも思っているんでしょう!
知らないかも知れないけど、
馬に乗れない人間だって、いるんだよ!!!


ついでに仕事にも慣れてないでしょう!
臨機応変って知ってる?!
馬に乗れない人間を
「決められた場所(遙か彼方)」まで
馬で連れて行くなんて、無理なのー!


と言いたいけれど、言えない。
口を開いた途端、舌を噛みそう。


馬は、背に乗せた私のことは
絶対、完全にナメきっていたはずだけど、
ガイドさんには従順で、
彼の馬の後をしっかり追っていくので
はぐれることはありませんでした。

・・・問題はそこじゃないけどね。


一方の友人は、
私と同じく初乗馬だったのですが、
もともとガタイが大きく、
見るからに強そうな、
日本人離れした女性でもあったので、
脚力もあったのでしょう。
両腿でがっちりと馬を挟むことができたようです。

でね、
馬を挟む脚力さえあったら
初体験で全力疾走の馬に乗るのだって
そんなに難しいことじゃないみたいなんです。
彼女によると。

「最高ー!
私、前世は騎馬民族だったかもしれない!
馬で、どこまでも行きたい気分!」

と大喜びで叫んでいました。
(彼女は騎乗で喋る余裕があったのね)


どのくらい走ったか定かではありませんが、
彼女のカメラが落ちてしまったのを機に
一旦止まりました。

一息つきながら、
「あとどれくらいかかる?」と訊くと
彼は
「片道2時間くらい。
夕方までには帰って来られるから大丈夫」
と事も無げに言うのです。(←ゼスチャーと片言の英語で理解)

つまり、あと4時間強、馬で全力疾走?

無理!無理!絶対無理!!!

「えー?大丈夫だよ」(←たぶん絶対そんな感じ)
と言いつつ先を急ごうとする彼に、
必死で「無理だ」と訴え、
なんとかUターンしてもらったのでした。
帰りは並足でお願いしました。

友人は、「私は行けるけどなー」
と笑っていましたが、
ごめん、私、無理。
一人で帰ることもできないし。
4時間待つこともできないし。

ごめん、ほんとごめん!
悪いとは思うんだけど、無理なの…


ということで、
非常に中途半端に終わった
騎馬民族体験でしたが、
私は、これ以降、日本で

「乗馬クラブ
 初心者コース3ヶ月○万円、年会費○十万」

といった広告を見る度に

「この金額払うなら、
モンゴルまで行けるな。
え?最初は手綱引いてもらって並足?
それに何千円、何万円払うの?
もったいない!
モンゴルなら、最初から全力疾走だよ。
乗馬クラブに1年通うより、
モンゴルで1日馬に乗った方が
上達するかもね。」

と思うようになりました。
実際、そうだと思う。
ただし、
事前に脚の筋肉を鍛えておくことだけは
お忘れ無く。



もひとつ、
馬とは全然関係のない余談ですが・・・

草原の、パオに付設のトイレは、
中国旅行中、一番快適なトイレでしたね!

穴を掘って板を渡しただけなんですけど。

極度に乾燥している上、
強風が吹いている。
そこに、しるし程度にテントで囲っただけのトイレ。
なので、全く臭くない!
不潔感、ゼロ!
清潔感があるかと言われれば、
そうではないような気がするけれど、
まあいいのです。


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