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この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

中国旅行(2) バスルームと散髪屋とベンツのエンブレム

2020-05-27 | 旅行
私たちが北京で泊まったのは、
弟たちが用意してくれた
安いホテルでした。
あれをホテルと言っていいんだろうか…
「宿」くらいが適当な気がする。

1階には食堂があり、
鍵やお金を扱う年配女性と
下働きの若い女性がいました。

私たちの部屋は4階だったかな?
2,3階は学生さん(女性のみ)の
下宿になっていて、
一部屋に2段ベッドが2,3台置かれ、
狭い部屋を4~6人でシェアしているようでした。
(だからホテルとは言いにくい)

私たちの部屋は、学生部屋とは違い、
一応、ホテルらしい部屋でした。
部屋もベッドも大きく、シャワートイレも完備。
設備的には十分です。
しかし、清潔度は・・・
いや、悪気はないと思うんだけど・・・

私一人だったら、音を上げていたでしょう。
が、ありがたいことに、一緒に旅した友人は
現場に強い、タフな人でした。

家事は趣味の一環。
性格は豪放磊落

シャワールームを覗き、
これは・・・と絶句していた彼女ですが、
すぐに気持ちを切り替え、

「ふん、これくらい想定内
掃除すれば大丈夫!」

北京での最初の買い物は、
ゴム手袋と掃除用洗剤とスポンジでしたね。

彼女主導で、部屋全体を掃除。
特に水回りは徹底的に!

「さあ、これでこの部屋だけは清潔!
もう恐れることは無い!
と宣言できるほどになったので、
不安要素満載だった安宿が、
旅の疲れを癒やす安心基地
早変わりしたのです。

水回りの清潔さって、ほんと大事。
QOL(生活の質)に直結するよね!

ただし、お湯の出が
非常に心許ないことだけは、
我々の力ではどうしようもありませんでした。
どのくらい心許ないかと言うと、
シャンプーという日々のミッションを
完遂することができないくらいです。

乾燥しているとはいえ、
毎日、砂埃舞い上がる街を
歩き回っているのだから、
洗わないのはさすがに気持ちが悪い。

同行の彼女は、
普段はこだわりの清潔さを保っているのに、
旅先では
「あら、私は、
 何日か髪を洗わなくたって、平気よ?」
という豪気を見せる強者でした。尊敬。

が、一方、根がヘタレな私は
これに耐えられなくて。
結局、ほぼ毎日、
散髪屋に立ち寄り、
髪を洗ってもらうことで
その問題を解決しました。

オシャレ美容室ではありません。
店を選ぶ余裕はない。
毎回、その辺で目についた散髪屋さん
に飛び込みました。
なんなら道ばたの、露店の散髪屋さんでもOK。

(あるんですよね。
植栽の際でちょいと店を広げている
靴磨き屋さんと同じ感じの、
道ばたの散髪屋さん。)

店舗のあるなしに関わらず
そういう「超庶民派 散髪屋さん」が
どうやって髪を洗うかというと、
これが面白くて。

洗髪台のようなものは無く、
普通の椅子に腰掛けます。
髪を洗うときは、
天井を見上げるように
ちょっと頭を後ろに傾けます。
すると顔にかからないように
上手にペットボトルに入れた水
ちょろちょろと髪にかけてくれるのです。
水は、下に置いた洗面器で受ける。

で、そのままシャンプーをつけて洗い、
また同じようにペットボトルの水で
洗い流してくれるという。

散髪屋さんがこういう水の使い方を
するということは、
思うに、街全体が慢性的に水不足
だったのでしょうね。


ついでに。
街の散髪屋さんでは、
私は非常に珍しがられました。

だいたい、まず始めに
店のスタッフ全員で
乾いた状態の私の髪を触りながら
カットの仕方に感心
(別に何の凝ったこともない
普通のボブだったんですけどね)、
例のやり方で洗い、乾かした後で
またみんなでワイワイと褒めてくれる。
ついでにちょっとした世間話もする。
素朴で感じの良い人達でしたねー。


余談ですが、
行った店の数軒は、
店名に「上海」とついていたので、
上海に本店があるチェーン店なのかな?
と思い、訊いてみたら、

違う違う、
上海とは何の関係もないよ!
ほら、上海ってオシャレなイメージだから
つけてみただけ(笑)

みたいなことを仰っていました。
なるほど、北京では上海=オシャレなんだ!
と一つ勉強になったのでした。



余談ついでに、
「関係無いけどオシャレだからつけただけ」
で思い出した。

北京の街では
それなりに高級車も走っていて、
ベンツだってチラホラみかけたのですが、
それらのベンツは、ことごとく、
ボンネットに立っているはずのエンブレムが
抜けているんです。
つまり、そこんとこが、穴のあいた状態になっている。


で、一方では、
全然ベンツとは関係のない車のボンネットに、
ベンツのエンブレムが突き刺してあるんですよねー。
しかも、指す場所や差し方は
ちょっと歪んで傾いていたりする(笑)
どっかのベンツから抜き取ったエンブレムを
無造作に自分の車に
ブスッと刺しているって算段です。

(そういう車は、例外なくボロボロの埃まみれ

(人間の髪さえ十分に洗う水が無いのに、
ましてや車なんて、と考えれば当然ですが)


・・・明らかにベンツでない車に
ベンツ印を刺してる方が
よほど恥ずかしいでしょうに!
と大笑いだったのですが、
あれは、どうしようもない貧富の差に対する
ちょっとした抵抗でもあったのかな?
いや、もっと単純に、
庶民の精一杯の見栄というか
オシャレ心(センスは度外視)の発露
だったのかな(笑)


そういえば、日本でも、
わざわざEUのナンバープレートを付け、
それが見えるようにして
上に日本のナンバープレート付けてる車、
見かけるよね。
あれ、絶対、EUに住んでいた訳ではないよね(笑)
ベンツエンブレムとEUナンバープレート、
系統としては同じだな。うん。


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