olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

『空が青いから白をえらんだのです』

2021-03-17 | 読書メモ
友人から勧められた本が素晴らしかった。空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)寮 美千子新潮社 良い本です。まず、この取組みが素晴らしい。そして、詩も、良いです。特に、受刑者である少年たちが親を思って書いた詩は、涙無しに読めません。自分が親だからというのもあるけれど、人を傷つける前に深く傷けられていた少年達の、最も根っこの部分がさらけ出されているからだと思う。 . . . 本文を読む

『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』

2021-03-09 | 読書メモ
いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか〈アーサー版〉: 変容する中世騎士...広毅, 岡本みずき書林 この本、「いかアサ」と略すそうです。(序論にそう書いてある)…「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」(通称「いか超」)をパクっているとしか思えない!(笑)と思いきや、実際には、15世紀に出版されたアーサー王物語の章タイトルに「いかにして誰々が . . . 本文を読む

『推し、燃ゆ』

2021-02-24 | 読書メモ
祝日の昨日、午前中の予定が終わり、腹ペコだった私と息子は出先近くのショッピングモールに食べに行きました。ところが、レストランはどこも順番待ちの列。そうだ、今日は祝日。天気いいし、コロナも落ち着いてきたし、みんな出かけたくなるよね…ため息。列に並ぶ余裕がなかった私たちが押し出されて行き着いたのは、本屋とコラボしたタリーズコーヒーでした。二人でニヤリ。良いね~。お食事処としては不足だけど . . . 本文を読む

『チョンキンマンションのボス』(3) 真面目な日本人、ジェネラリストなアングラ経済人

2020-12-04 | 読書メモ
チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学小川 さやか春秋社 ★日本人についてチョンキンマンションのボスの言葉。 「日本人は真面目で朝から晩までよく働く。香港人も働き者だが、彼らは儲けが少ないことに怒り、日本人は真面目に働かないことに怒る。アジア人の中で一番ほがらかだけれども、心の中では怒っていて、ある日突然我慢の限界が来てパニックを起こす。彼らは、働いて真面 . . . 本文を読む

『チョンキンマンションのボスは知っている』(2)組合運営~貢献度とか自己責任とか

2020-12-03 | 読書メモ
チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学小川 さやか春秋社 (抜粋部分は、原文通りではなく、いつも通り、自分が理解しやすいように原文をつぎはぎしちゃってます。ご了承ください。)在香港タンザニア人の「いざという時」「困った時」の相互扶助組織についての話です。相互扶助組織といえば、「○○共済」や自治会やPTAやサークルの運営委員会などが思い浮かびます。(タンザニア人の相互 . . . 本文を読む

『チョンキンマンションのボスは知っている』(1)

2020-12-02 | 読書メモ
チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学小川 さやか春秋社 これまで私が読む人類学系の本は、大抵、農業漁業採集を主な生業とし、けっこうプリミティブな生活様式を維持する小さなコミュニティ・・・といった風情の地、つまり「遠い世界の、かなりの田舎」が舞台であることが多かったのですが、この本のフィールドワークの舞台は香港です。チョンキンマンションという「魔窟」。そこで、アング . . . 本文を読む

『子どもたちの階級闘争』

2020-10-13 | 読書メモ
子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所からブレイディみかこみすず書房 去年、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が話題になった、ブレイディみかこの本です。ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーブレイディみかこ新潮社 『ぼくは~』は子どもにも読みやすい本でしたが、『階級闘争』はちょっと大人向け。でも、いたずらに理屈をこねることなどはなく、あくまで実 . . . 本文を読む

『最後はなぜかうまくいくイタリア人』

2020-10-02 | 読書メモ
息子(中2)が、共感全開にしながら面白がって読んでいました。そして読み終えると、おもむろにイタリア語をDuoり始めました(笑)最後はなぜかうまくいくイタリア人 (日本経済新聞出版)宮嶋勲日経BP 私も追って読んでみたのですが、まず目次で吹き出してしまった。・好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす・嫌なことは、後回しでもよいことにする・短所は直さない、長所は大事にする・人生における寄り . . . 本文を読む

『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』②言語について

2020-09-28 | 読書メモ
前記事「①著者について」から続いています。今回は、言語について。以下、(本の中で重要なポイントかどうかということは度外視して)私が「ほー」と思ったことを抜き書きします。★複数言語の調査複数の言語の調査をしていると、たった一つの言語すらちゃんと研究していないのに、別の言語に手を出すなんて…と否定的に考える人も出てくる。けれども、複数の言語を眺めるからこそ、個別の言語への理解が深まること . . . 本文を読む

『現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。』①著者について

2020-09-25 | 読書メモ
長い休みを経て図書館が動き出してから、予約していた本やら新たに物色した本やらが続々と集合し、うちの「図書館の本」コーナーは満席状態。それぞれ2週間以内に読み切らなくては…ああもうどうしよう。忙しい!(喜)現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。吉岡 乾創元社 この本を予約したのは去年だったか今年の初めだったか…?いずれにせよ長く待ったもんだ。しかし、待った甲 . . . 本文を読む