「朽ちていった命-被爆治療83日間の記録-」 NHK「東海村臨界事故」取材班 新潮文庫 を先日読んだ。
99年、日本で初めて起きた臨界事故で一時に致死量を超える放射線(20Svという)を浴び、
亡くなられた大内久さんの治療の記録。
当初は一部に火傷やむくみなどがあっても集中治療室にいることが不思議に思えるほど
元気にさえ見受けられた患者の、DNAが破壊しつくされ細胞を再生できなくなった身体が
文字通り朽ちてゆくのを、膨大な量の薬、輸血、培養皮膚などの貴重な医療資源を費やして
食い止めようとしてもできず、患者の苦痛を長引かせているのではという医療者たちの苦悩の記録でもある。
解説に柳田邦男氏の文章があって、まさしく同じことを感じたのだが
私も少しは放射線被害について知っているつもりだったけれど、知らなかったことを痛感。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者の熱傷の原因が熱だけではないことや、
入市被曝者(内部被曝)たちの症状もまさしく放射線によって引き起こされたことがよくわかる。
そして肥田医師も言われているように、爆発で瞬間に殺されるならまだしも、
被曝して後何年も何十年も人は殺され続ける、ということがリアルに感じられてくる。
南相馬の沼内恵美子さんの症状とも重なって、いたたまれない。避難してほしいのに。
とにかく多くの人に読んでくれといいたい。
目に見えない放射線を軽視し、まさしく今日本で何が起きているかに気付こうとさえしない人々に。
命を軽視し続ける原子力をいまだ推進しようとする人々に。
大内さんの主治医、前川東大病院教授(当時)の言葉。
「原子力防災の施策のなかで、人命軽視がはなはだしい。現場の人間として、
いらだちを感じている。 責任ある立場の方々の猛省を促したい」
これが多方面に生かされていたなら…
最近、広島平和記念公園の「過ちは繰り返しませんから」の石碑のこの文言が
ラッカーで塗られる事件があったのは、そのやり方には問題があるがただのいたずらではなく
平気で過ちを繰り返し続ける日本人全体に向けて発したかった怒りなのではと感じる。
99年、日本で初めて起きた臨界事故で一時に致死量を超える放射線(20Svという)を浴び、
亡くなられた大内久さんの治療の記録。
当初は一部に火傷やむくみなどがあっても集中治療室にいることが不思議に思えるほど
元気にさえ見受けられた患者の、DNAが破壊しつくされ細胞を再生できなくなった身体が
文字通り朽ちてゆくのを、膨大な量の薬、輸血、培養皮膚などの貴重な医療資源を費やして
食い止めようとしてもできず、患者の苦痛を長引かせているのではという医療者たちの苦悩の記録でもある。
解説に柳田邦男氏の文章があって、まさしく同じことを感じたのだが
私も少しは放射線被害について知っているつもりだったけれど、知らなかったことを痛感。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者の熱傷の原因が熱だけではないことや、
入市被曝者(内部被曝)たちの症状もまさしく放射線によって引き起こされたことがよくわかる。
そして肥田医師も言われているように、爆発で瞬間に殺されるならまだしも、
被曝して後何年も何十年も人は殺され続ける、ということがリアルに感じられてくる。
南相馬の沼内恵美子さんの症状とも重なって、いたたまれない。避難してほしいのに。
とにかく多くの人に読んでくれといいたい。
目に見えない放射線を軽視し、まさしく今日本で何が起きているかに気付こうとさえしない人々に。
命を軽視し続ける原子力をいまだ推進しようとする人々に。
大内さんの主治医、前川東大病院教授(当時)の言葉。
「原子力防災の施策のなかで、人命軽視がはなはだしい。現場の人間として、
いらだちを感じている。 責任ある立場の方々の猛省を促したい」
これが多方面に生かされていたなら…
最近、広島平和記念公園の「過ちは繰り返しませんから」の石碑のこの文言が
ラッカーで塗られる事件があったのは、そのやり方には問題があるがただのいたずらではなく
平気で過ちを繰り返し続ける日本人全体に向けて発したかった怒りなのではと感じる。
だからといって日常を放棄するわけにもいかず、むしろ何とかして全員が元気に生き延びる使命を帯びていると感じます。
本という媒体から離れがちでしたが、読んでみたいと思います。
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私も近年集中力がないので本から離れがちですが、この本には引き込まれて2時間くらいで読めました。
原発事故でこの方ほどの劇症が一般の方に起きることはまずありません。しかし放射線に対する感受性は大きな個体差があり、現時点で鼻血や咳などの症状を訴える敏感な方もあれば、広島・長崎の被爆者の方の中にもその後何の支障もなく今まで元気に暮らしておいでの方もあります。ただどんな方でも、被曝量が少ないに越したことはありません。
放射線が避けられないならば、きちんと向き合って対策をとりながら、できるだけ健康にゆきたいものですね。
生きるために、そのための知恵も出し合いましょう。
12月の「世界ヒバクシャ展緊急フォーラム」での肥田舜太郎医師が「なんとなく生きるだけでは放射線に負ける。己の命の主人公となって懸命に生きよ」といわれた言葉が心に響きます。