もしもし亀よ

夏は夕暮れ。涼しくなる日暮前に公園へ。

もうだいぶ薄暗くなってきていたのですが、
ふと見ると、池と菖蒲田の間の広い道で何かはいつくばって動いています。
ウシガエルかと思ったのですが、そうではなく
甲羅の長さが10cmあるかないかの亀でした。

このへんでは水辺はすべて杭を打ったような堀状か
ある程度の深さの水辺の縁にぐるりと岩で取り囲んでいるので
脚の短いいきものが容易に上れるスロープはないはず。
この亀は果たしてどこから来たのか、またどこへ行きたいのか？

いえ、亀が早く水に入りたいことはわかっていたのですが
見た目が外来種っぽいので積極的に助けてよいのか悩み
水に辿りつくかどうかは亀の運に任せ、離れて後ろから見守ることに。
鷺が近くにいたこともあり…鋭いくちばしはとても危険なので。

一生懸命歩いてまずはすぐ近くの水際へ来ましたが、
小さな亀にとって、そこは断崖絶壁のような場所。
落ちないように、うんと首をのばして下を覗き込んだものの
怖かったのか引き返し、反対側の池に向かって歩き始めました。

ウサギとカメの昔話ではありませんが、意外に早いんですね、歩くの。
距離は30ｍ程ありましたが、休まず一生懸命歩いたのですぐに辿りつきました。

岩が越えられるのかと思いきや、その上に乗って下をのぞき込み、
岩と岩の間の隙間を見つけて移動し、そこは急な斜面でしたが
短い前後の脚を両方の岩に突っ張って上手にブレーキをかけながら
怖くないところまで水面に近付いてから…どぼん！

すぐに睡蓮の葉の隙間から顔を出しました。
亀さん、無事に移動できてよかったね♪