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心身徒然話

治療家から観た心身や日頃感じた事柄を書きとめました。
(左にあるブックマークの「創健整体治療室」から概要に飛びます)

70代となり人の死を思う

2024-11-27 11:31:55 | Weblog
私は20代後半から6年間ほ老人病院のリハビリ室で働いていとことがあります。その病院では、元気に退院する人はまず無く亡くなって退院して行人がほとんどという病院でした。その中でいろいろな人の死をみてきた経験から、老人医療に疑問を感じて職場を離れました。

今、70代となり自分の死を考える年代となり、理想な死に方をしたある人の死を思い出されます。その人は定期的に治療に通って来てくださっていた方で、末期癌で治療と言う治療はせず、ただ痛みをコントロールする事だけを医療に求め、衰弱していく自分の体と折り合いを付けながら日常生活を送っておりました。

ある日その方の知り合いとお話しをする機会があり、しばらくお爺ちゃんと会っていなかったので気になり、それとなく訊ねてみたところ、先日亡くなったとのこと、 驚いて聞いておりましたら、そのお爺ちゃんの最後があまりにも素晴らしく驚かされました。

その亡くなり方と言うのは、ある日死期を悟ったお爺ちゃんは、自分の葬儀一切の手配を難なく行い、家族にタクシーを呼んでもらい自分でまるで診察でも受けに行くように病院の門をくぐりその20分後に亡くなられたそうです。

まるで死亡診断書を書いてもらうために病院へ行ったとしか思えない行動です。本当に全生命を使い切り、まさに生ききった人だと思います。まさに理想的な死に方でした。合掌。

人は産まれ方・死に方は選べないと言いますが、生き方を有る程度選べるように、その延長線上に死に方が有るのではと思います。まさに「人は生きて来たように死んで行く」ではないでしょうか。


深く眠るための三条件

2024-11-05 10:58:03 | Weblog
真夏の熱帯夜もなくなり朝夕涼しくなって来て、深い眠りが取りやすくなって来たとおもいますが、それでも深い眠りが取れない人もおります。そこで眠りのことを記したいと思います。

食事と眠り、どっちが大事かと言えば整体では眠りを取ります。本当に深く眠れるようになれば、後は自動的に人間の体は回復するようにできています。そして、深く眠ると眠れないときに出ていた腰椎3番が引っ込んできます。朝起きた時に腰が強張って腰が痛いと言う人は、良く眠れなかった人です。

そこで、体の筋肉を弛めるには、特に腰椎1番3番を弛めれば全部が弛んで、深く眠れるようになります。

それでは、目が覚めても首が強張っている、腰が痛い、いくら寝ても眠い、起きるとだるい、重い、体の方々が痛いというのは、いくら眠っても弛まない場合です。

その原因とは、考え事をしながら寝付いたり、何かをやりかけて寝たという場合で、眠っても緊張が続いている状態にあります。また心配が続いていると、だんだん強張ってくるのです。不安とか、怯えとか、恐れとかいうものがあって寝た場合は、目覚めても少しもさっぱりしなく、方々が固まっています。そんな状態が長い間続き、同じ系統の偏り疲労が積み重なるとなかなか弛まなくなります。そんな状態になる前に、次の三条件を試みてください。

一. 深く眠るためには、何より心地良い肉体的な疲れが必要で、精神的な緊張状態では質の良い眠りは望めません。それと眠らなければと思い込んでいる人で、眠くないのに床に入る。これが一番いけない、疲れて自ら眠くなってから床に入るのが理想です。何時に眠らなければと思い込んでいる人は、安心して眠くなるまで起きていることができず、時計を眺めると不安になって、眠くないのに床に入り眠ろうとする。眠ろうとすればするほど眠れないものです。眠ろうとすることは、眠ることと反対の心の働きだからです。多くの不眠症も原因はこれです。

二. 偏った疲労を平均にして床に入ること。(疲労というものは、偏り疲労を起こしていて体の一部の筋肉の強張りが原因で、その強張った筋肉の弾力性を恢復するように仕向ければ、疲労は消失する。)無意識に行われている欠伸とか伸びとかは、偏りに対する自然な平均法と見てよく、また子供が熟睡に入るまでに転々と寝相を変えるのは、同じく疲労調整の無意識的な方法です。足を曲げ、また大の字に開き、また重ね組むことは腰の疲労の平均法です。手を後頭部で組むとか、また両手を上げバン
ザイの格好をとっている人は、首の疲労平均法です。また右足に力をいれる癖のある人が、左下にしないと寝にくいのは、右足を上にして自由に動かし易いようにすることが、片側に偏った疲労の平均法なのです。このようなことも無意識に行っているものです。

三. 利害損失とか、喜怒哀楽とか憎愛とか執着とかを頭の中に置かぬよう生活するよう心がけ、特に床に入る前に呼吸を乱さぬよう、呼吸を静かに深く腹に吸って調えること。背骨で呼吸すればなおよい。

脚の冷える人は脚先まで息を吸い込むように呼吸すればすぐ暖かくなり、眠れるようになります。



先達の言葉

2024-10-23 10:49:05 | Weblog
電球を割って光源を探しているのが
今までの病理学と解剖学だ。
しかし、体は影、存在してはいない。
無いものが病んでいる訳がない。
体にこだわっていてはいのちは見えない。
慧可は腕を切った。
南泉は猫を斬った。
いのちは体にあるのではない。
              晴哉

※「慧可」;中国,北魏より隋代の禅僧。僧可ともいう。のちに中国禅宗の二祖として,大祖禅師の諡号(しごう)をうける。
※「南泉」:中国の唐代の禅僧。

過ぎ去った心の形

2024-10-15 12:42:09 | Weblog
   犬の可愛い人もあれば、怖い人もある。懐かしむ人もあれば、憎む人もある。
 それぞれ心の中心にある観念の動きに相違ないが、人間というものは犬を見て犬を見ない。
 自分の過去の心を通してのみ、その犬を見る。自分の犬を通して過ぎ去った心の形をとらえている。
 だから愛らしかったり、憎らしかったりするのだ。
                                                                               野口晴哉

PSラインアクセス開発にあたり

2024-10-11 17:26:46 | Weblog
PSラインという全身の骨格を整える頭部の箇所を発見することができ、当初はこの技術をお腹が大きくなってうつ伏せになれない妊婦さんの骨盤矯正に使用していました。

その後、数々の治療体験から、事前に体の各関節の歪みを調べておくとおかないでは、治療後の結果が全然違うということに気がつきました。

治療にあたり、各関節の歪みを調べることをバランスチェックと言います。その結果を、当人に知らせても知らせなくても、体は知覚神経を通しその状況を自覚していると知りました。その体験から、私達の肉体は単なる肉の塊ではなく、細胞レベルで意志を持っているのではないかと思わざるを得ませんでした。

脳は、各器官から上がってくる情報をもとにして、決定を下しているのです。本来健康な機能を備えていれば、その各関節の歪みを正常の位置に戻そうとする体本来の働きで整体に導くはずですが、生活習慣病などに代表される現代病といわれるものを観てみると、医学や文明の発達と裏腹に、私達の体に備わっているといわれている能力(自然治癒能力)が、退化してきているのではないかと思えてなりません。

それは、人類が長い間、さまざまな病気やケガを克服することによって培った能力を活動させる絶好の機会が、人間が作り出した薬や常識や知識によって、抑えられてしまったからではないでしょうか。

昔は、多少の雑菌が入ってきても大丈夫だった体が、今では無菌室の中で育てられた子供のように、ひ弱な体が増えてきました。本来、自然や社会は建設と破壊の繰り返しでバランスを保っています。

 体も悪いものが入れば吐いたり下痢をし、ばい菌が入れば熱を出し殺菌することによって、体全体を自然に健康な状態に再生してくれています。
事実、体は異常感があって始めて回復の要求が起こります。

そこで、直に体に触れることにより、体はバランスが崩れていることを自覚し、そして頭部からの微弱な刺激によって後押しされ、脳から末端にバランスを立て直すよう指令を出すのです。

この見た目簡単な調律法は誰にでもできますが、その裏にはただ体の働きだけでは説明できない目に見えないものの働きがあってこそ、なり立っていることを自覚して操法にあたりたいと考えています。

寝相は無意識の体操

2024-10-07 10:43:09 | Weblog
人間は本来、自分の体調は自分で整える術を備えているものです。しかし物心がつき、親からあれしてはいけません、これしてはいけませんと教えられ、学校に入れば常識とか知識を教わり、しっかり体と心ががんじがらめになり、こんな格好しては見っともないとか、こんな事言ったら嫌われてしまうなどと心を閉ざし、本来持って生まれた個性が抑えられストレスを抱え、強いては病気の原因になりかねません。

その点赤ちゃんや子供は、何者にも縛られず自然に行動しており、寝相を見ると、その動きは自由奔放で活発です。本来寝相は、体のバランス調整で、眠りに入るための無意識の体操ともいえます。普通にいう体操は、意識的にある部分の筋肉を動かすために組まれた動きですが、寝相は、無意識にその日の偏り疲労を解消するべく動いています。

子供ほどではありませんが、大人でもその寝相を見て診ると身体の要求に素直に動いています。片側の胸が狭くなり呼吸しづらくなっている時、その側の脚をくの字に曲げて胸を広げていたり、食べ過ぎて満腹な時、大の字になりお腹を弛めている。腰の強張っている時、強張っている方を上にして緊張を弛めている。また頭の使い過ぎの人は、頭に酸素が行き渡るように大の字で両腕をバンザイ形に上に挙げ胸を広げて深い呼吸を誘導しています。それから、うつ伏せでなければ眠りに入れない人がい
ますが、その方は心身ともに疲れている方で、お母さんに抱かれるようにうつ伏せでなければ安心して眠りに入ることができないのです。このように、意識しないところで本来の身体の働きが行われ私たちの健康を維持しているのです。

排泄としての発汗

2024-09-30 10:46:10 | Weblog
 肺と皮膚と腎臓は体の排泄作用の中心である。腹も胃もこれを手伝う。それ故、夏の下痢は皮膚の汗を急に引っ込ませるための汗混じりの便と解すべき場合もしばしばある。
 皮膚の汗が引っ込めば呼吸器の負担は急に増える。胃や腸を使い過ぎれば尿は色濃くなる。尿を我慢すれば、汗が出る。
 入浴後、汗ばむ時の扇風機は特に注意を要する。汗が出ている時に冷やすことはいけない。風邪も下痢もだるさも神経痛も、そうして生ずる。

                            「風声明語2」野口晴哉
今年もようやく秋めいてきた感じがしますが、本当に今年の夏は記録的な猛暑で大変な年でした。昨年もそうでしたが、今年のような夏が来年も続くのではと懸念されます。そんな今年も、夏バテの症状を訴える人が増えています。多分に汗の処理の問題が考えられると感じています。冷房はありがたいですが、汗を急に冷やすことはせず、こまめにタオルで拭くことをおすすめします。

子供の頭の打撲の影響 

2024-09-27 10:31:08 | Weblog
大人の頭部の打撲も場所によっては大変危険ですが、縫合が開いていて頭蓋骨が整っていない時期の子供の頭の打撲は、脳に与える影響は大人の比ではありません。そこで、不意に子供が頭を打った時のために、子育て中のお母様の参考になればと思い書きます。

子供が頭を打った時、緊急に受診(脳神経外科)しなければいけない症状
1.頭を打った後、泣かないでぐったりしている。
2.いつもの元気がなく、ぼんやりして意識がはっきりしない。普段はかかない、い びきをかく。
3.吐き気や嘔吐が複数回あり、顔色が悪く良くならない。
4.頭を打ったところだけではなく、頭全体を痛がる。
5.痙攣(ひきつけ)がある。
6.片側に麻痺があり、歩き方がおかしい。
7.症状が良くならないで、むしろ悪化してゆく。
8.目の焦点があわない。目つきがおかしい。
9.鼻や耳から透明な液(髄液)や血液が出ている。
10.頭を打った部分が凹んだり(陥没骨折)、出血している。

家庭でできる対処法
1.頭を打ったときに大声で泣けば、意識がある証拠ですから、まず一安心で
  す。
2.頭にコブができたら、その部分を冷たいタオルや熱冷却シートで冷やしま
  す。コブは頭蓋骨の外側にできます。出血していたら清潔なガーゼで圧迫
  します。その後、外科などで、処置していただきます。
3.頭を打った後に、吐くことはよくありますが、一回でおさまりその後けろ
  っとして遊んだりしたら、しばらく様子を見ていいです。

子供が頭部を打撲した時、どの位の期間、様子の観察が必要か?
一般的に、4日間から7日間様子を見て元気があれば一安心です。

頭部打撲の影響

2024-09-25 10:41:08 | Weblog
私は治療において原因不明の症状には、打撲の影響を疑います。それもつい最近のことではなく、遠い本人も忘れていてまさかそんな昔の打撲がと思うようなことが、原因だったりすることがよくあります。

打撲にもいろいろあって、体の箇所によって大変危険な処があります。それは、後頭部です。そのときは何でもなくても硬膜下出血を起こしたりすると、一週間位して死ぬこともあります。また激しければ即死ですが、まず一週間迄が注意期間で特に最初の夜が怖いです。

よく骨が折れたとか、コブができたとか、切れて出血したとかというものはさほど心配は入りません。それは打撲の衝撃がそこでとどまり、中には影響が行っていないということになるからです。そんな時はそこに氣功を施しておけばじきに経過します。

そこで、打撲が影響していると判断した場合は、打撲の掘り起こしという技を施します。その治療で効果があると、その日から4日以内に打撲をしている箇所やその影響を受けている処に痛みが出現します。それは体をその打撲を受けた時期に戻すことによって、その当時の痛みを再認識させるためです。そして改めて自然経過させるのです。

打撲の治療例ですが、ある40代の女性で、偏頭痛が何年も続いていて病院に行って検査しても判らず、薬でなんとか抑えてきたとのこと。過去に頭を打ったことがないかと話を聞いてみると、小学生の頃に学校の玄関で転び、すのこに後頭部を強打し、意識がなくなり病院に入院したことを思い出してくれました。

そこで体を診ると、体に打撲独特の症状が揃って出ていたので、打撲の掘り起こしを施したら、その夜に頭痛が起こり半日その痛みは続き、その後自然に経過したそうです。

そして、それから何年もたちますが、辛かった偏頭痛は嘘の様に現れていないとのことでした。以上のように、打撲というのは怖いものです。もし打撲をした場合、特に頭を打ったら3日間位風呂に入らないこと。それだけ注意をしておけば、ほとんどの打撲の悪い影響は防げると思います。

内臓と感情

2024-09-19 14:31:43 | Weblog
日本語に「腹が立つ」「腹黒い」「太っ腹」「腹の探り合い」「腹に一物あり」など頭と腹の関係を比喩した言葉が数々あります。また七情という言葉があり、精神や感情の状態を七つ「喜·怒·優·思·悲·恐·驚」に分類して呼んでいます。

この感情の変化は、特に生理機能に影響し、血行を悪くしたり代謝機能を低下させ、体にいろいろな症状をもたらします。体は全てにおいて影響を受けますが、特にその中でもお腹(肝·脾·腸·胃)には著明に現れます。

旅行や仕事などで知らない土地に行ったりして、不安になり途端に便秘になったり、また大切な試験や商談や会議の前に心配や緊張感で下痢になったことのある人は多いのではないでしょうか。このようにストレスを受け続けると、脳が強いストレスを感じ自律神経の働きが乱れ胃腸に影響が現れます。

そんな環境が続くと過敏性腸症候群(IBS)になりかねません。しかし脳がリラックスすると、ストレスを感じていた交感神経優位の状態から副交感神経優位へスイッチが切れ替わり、胃腸のコンデションが改善します。

脳と腸は、自律神経、ホルモンやサイトカインなどの情報伝達物質を通して、お互いに密接な影響を及ぼし合っています。そして、腸内フローラは自律神経や、内分泌の働きにも深く関わっています。まさに腸は第2の脳と言える所以です。