心身徒然話

治療家から観た心身や日頃感じた事柄を書きとめました。
(左にあるブックマークの「創健整体治療室」から概要に飛びます)

掌感覚

2014-05-12 10:48:50 | Weblog
私の治療の半分は愉氣(気功)が占めます。愉氣をしていると、私の掌に患者さんのいろんな情報が届きます。治療で良く後頭部に愉氣をしますが、その時に今日は睡眠不足ですとか、今日はストレスを抱えていますとか、脳のこの部分に異常がありますとかいろいろです。そのような異常感をこちらが感じた時は、その異常感が無くなるまで愉氣を続けます。その過程はいろいろで、掌を当てて直ぐ異常感が現れる人と5分ないし長い人では20分経過してからよやく奥の方から異常感が出てくる人もおります。経験上、直ぐ出て来る人程身体に勢いがある人で、なかなか出てこない人は老人ないし若くても身体の免疫力が低下していて身体に勢いがない人、そして身体の感覚がが鈍くなっている人です。当然そういう後者の人達は治療において経過が遅くなる傾向があります。

ここで、私が今まで愉氣して来た治療体験談を2例ほど書いてみたいと思います。
1.胃の全摘手術直後の愉氣
知り合いのお母様が胃の全摘手術をするので、病室まで来て手術直後に治療をして欲しいとの依頼を受けて私は病院に向かいました。私は、病室で患者さんが戻って来るのを待ちながら治療の組み立てを考えていました。何分にも手術直後の治療は経験がなく、ここは愉氣しかないのではと決め患者さんを待ちます。程なくして移動ベットで点滴を付けた知り合いのお母様がウーウーと唸りながら戻って来ました。麻酔が効いていて、意識は戻っていない状態のお母様への治療を始めました。とにかく、傷口から愉氣をすることに決め掌を軽く当ててみました。自分でも始めての感覚で驚いたのですが、自分の手が燃えている感覚で思わず手を離したい衝動に駆られましたが、この感覚が消えるまで絶対に手は離してはだめだと腹をくくり、愉氣を続けました。そしてその燃える感覚が消え、今度は手がビリビリと痺れ始めました。それが掌から肘の上まで徐々に上がって来るではありませんか。でもその感覚が消えれば、必ず手術後の経過回復のスピードが改善されると信じて、異常感が消えるまでそのまま愉氣を続けました。後に、経過が良く傷口がきれいで予定より早く退院出来そうだと連絡が入りました。今回、愉氣をしていてあの凄まじい異常感は回復に向けての細胞の叫びの様な感覚を受けました。

2.脳内出血後の愉氣
青森の友人のお母様が、脳内出血で倒れ入院しているので病院に治療に伺いました。発病して大分経っており、強い片麻痺が残っていて寝たきりの状態でした。まずお母様に挨拶をしてから、麻痺の状況を観察しポイント治療をしてから患部を探るため頭部に手をかざすと、直ぐに患部が分かりました。その患部を気で診ると、約半分が何もなく空洞でそこにピューッと風が吹いている感じなのです。両手で診ているとその感覚はまるで別物で、完全に脳細胞が死んでいる感じでそこに有るべきはずの脳が感じられないでです。でもその何も感じられない患部にジ-ッと愉氣をしましたが、やはり反応はありません。そこで残された健康な脳に愉氣をし、少しでも患部の脳細胞の働きを代行して頂こうと思い愉氣をし、その日の治療を終え帰りました。後に意識が少しはっきりして来たようで、お孫さんがお見舞いに来ると嬉しそうにしていたと連絡が入りました。身体は健康なときはその存在が何も無い様に感じますし、胃が異常のときは胃を感じます。しかし気で見ると健康な時もそこにはしっかりとなにかしら虚ではなく実を感じるものです。