ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「自由研究には向かない殺人」 容疑者が増えていく

2022-05-11 | 読書日記

「自由研究には向かない殺人」(ジャクソン著 2021年8月 東京創元社刊)を読みました。

 

ミステリです。

高校生のピッパの自由研究のテーマに対して指導教師は
「このテーマは題材としてはデリケート過ぎる。
私たちの町で発生した犯罪だから」とコメントする。
犯罪とは
5年前に17才の高校生のアンディが行方不明になり
彼女のボーイフレンドのサリルが
犯行を自供した(メールで)上で自殺した事件だ。

サリルの一家(父、母、弟のラヴィ)はペンキでいたずら書きをされたり
石を投げられたりと町の人たちから、ひどい扱いを受けている。
ピッパは、サリルが人を殺すとはどうしても思えなかった。
幼い自分に優しくしてくれたサリルの記憶があるからだ。
(ナイジェリア人の義父を持つピッパは、なかなか生きにくい)

ピッパは捜査を始める。
マスコミ、アンディの友人たち、当時の同級生にインタビューし
それをレポートに打ち込んでいく。
ところが
調べれば調べるほど容疑者が増えていくのだ。
アンディとサリルの友だちのナオミ
同じ仲間のマックス
アンディが秘密裏に交際していたという男
アンディからいじめを受けていたナタリー
ナタリーの兄で警察官になっているダニエル
ドラッグの売人の男
アンディの父親
……

容疑者を絞り込むために
ピッパは行動に出る。
ハラハラさせられるような大胆な行動に。
やがてサリルの弟のラヴィも協力してくれるようになる
……

灰色の脳細胞を駆使して行動し
ナイジェリア人の義父を持つが故のフラットさを持つ主人公ピッパ
が魅力的です!
(ピッパはこの後も活躍するらしく
続編が2冊出ています)

ついつい、一気読みしてしまいました。

 

 

 

 

 

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