ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「真夜中法律事務所」 五十嵐律人

2024-03-30 | 読書日記

「真夜中法律事務所」(五十嵐律人著 2023年11月 講談社 259p)を読みました。

特殊設定ミステリです。

ある日
なぜか
死者が見えるようになってしまった検事の印藤累は
案内人を名乗る男に
「真夜中だけ開かれる法律事務所」に連れて行かれる。
って
もうそれだけで前のめりになるような設定。

法律事務所には
死者が見える弁護士の深夜朱莉(あかり)がいた。

死者がみんな幽霊になったら
見える人には
うじゃうじゃ幽霊が見える?
ということはなくて
幽霊は命が絶えた場所から離れることは出来ないが
午前2時から明け方までは自由に動くことが出来
深夜法律事務所の椅子に座った時だけ話すことができるのだ。
殺害された霊は
犯人が明らかになったら成仏できる仕組みだ。
(だから、この世に幽霊はそんなにいない)

印藤が見かけた青年は
(どうやら有名アイドル)
個室スポーツジムでバーベルが首に掛かって窒息死した事故によって死んだ
と思われていたが
成仏出来ないでいるということは
誰かに殺された
ということになる。
幽霊に自分の死の記憶はない。

印藤と朱莉は捜査をはじめる……

自分に幽霊が見える
ということは幽霊になった人は犯罪の被害者で
成仏出来ないでいるということは
犯人はまだ捕まっていない
という理屈が
この世では通用しない。
どうにかして証明しなくてはならない
というところが主人公たちの直面する課題
(課題がなくては小説になりません)

印藤はとてもおだやか。
尖った朱莉の存在があることによって
印藤の「おだやかさ」が強調されています。

朱莉が天才的にコーヒーを淹れるのが上手くて
印藤は影響を受けてコーヒーを淹れてみるも
さっぱり
というところが笑えます。

ここちよい


 

 

 

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