里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カマツカの赤い実

2018-10-30 | 日記
登米市中田町上沼地区北東部、集落の北西側に沢が流れていて、これに沿って田畑
が続いています。田畑の上手には大きな溜池があり、そこへの農道を上がっていくと、
山裾にたくさんの赤い実を付けた低木が茂っています。
あまり見かけない木ですが、樹木図鑑に載っていたバラ科のカマツカに似ています。
遠近から撮影し、写真を持ち帰って同定することにしましょう。

葉が小さめの倒卵形で、先端が小さく尖り、縁に小さな鋸歯がある。
果実は赤く熟し、直径7mmほど、長さ10mmほどの楕円体で、頂部に萼片が残っている。
これらの特徴から「カマツカ」で間違いないでしょう。




                            二枚とも2018.10.19撮影

名の由来は、材が堅く丈夫で折れにくいことから、鎌などの柄(つか)に用いられたこと
によるようです。別名にウシコロシがあり、この木の枝で牛の鼻輪を作ったからだとか。
何れも材の堅牢さに由来していますね。

赤く熟した実は食べられるようで、甘酸っぱくて美味しいとか。
でも小粒で種も入っていますから、食べるよりも果実酒向きでしょうね。
ホワイトリカーに漬け込むと、きれいな琥珀色に仕上がるようです。




                            二枚とも2018.10.19撮影

バラ科カマツカ属の落葉広葉樹で、樹高5〜7mの小高木。北海道〜九州に分布する。
丘陵地~低山の、日当たりのよい林縁などに自生し、二次林では株立樹形になることが多い。
樹皮は暗灰色で縦に筋状の皮目が入る。幹や太目の枝には灰白色の斑紋が入ることが多い。
葉は長枝では互生、短枝では輪生状につく。葉身は広倒卵形〜狭倒卵形で長さ4〜7cm。
先端は短く突き出て尖り、基部は楔形。縁には細かい鋸歯がある。質は洋紙質でややかたく、
両面ともほとんど無毛。側脈は5~8対で、表面で凹み裏面に隆起する。
花期は4〜6月。短枝の先に複散房花序を出し、直径1cmほどの白色の花を10〜20個つける。
花弁はほぼ円形で、内側の基部にまばらに白い軟毛がある。雄しべは20個。花柱は3個。
花序の軸は花のあと無毛になる。萼の外面は無毛または白色の軟毛が散生する。
果実はナシ状果。長さ8〜10mmの倒卵形~楕円体で、10〜11月に赤く熟す。
無毛で頂部に直立した萼片が残る。果柄にはいぼ状の皮目が多い。
種子は長さ4〜6mmの狭楕円形で、背面がふくれる。


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