里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ナツグミ ラッパ形の小花

2021-05-05 | 日記

一関市花泉町日形地区北部、丘陵上の集落道を東へ向かうと、畑の山側法面にたくさんの
白花を付けた小高木が見えます。歩み寄って確認すると、10本以上の幹が株立ちになって
いて樹高が4~5m、ラッパ形の花が無数に吊り下がっているので、グミの木ですね。
花はほとんど傷んでおらず、ツボミも少ないので、今がちょうど花の盛りのようです。
ふつうはグミと呼んでいますが、標準和名は「ナツグミ」です。

                              二枚とも2021.4.28撮影

ナツグミの分布域ですが「本州の福島県~静岡県の太平洋側」とする説と、「北海道南部
~九州」とする説があります。赤い実が美しい上に、甘酸っぱく食べられることから、果
樹として各地で植栽されたため、本来の分布域が曖昧になってしまったのでしょうか。
私が歩き回るエリアでは、全くの自然の中で見たことは無く、民家の庭や耕作地周辺でた
まに見かける程度です。それらは人が植栽したものでしょうから、宮城県内では山野に自
生は無いと思っています。

                                  2021.4.28撮影

グミ科グミ属の落葉広葉樹で、樹高3~5mの小高木。本州の福島〜静岡県の太平洋側に
分布する。丘陵地の林縁や原野などに自生するが、沿岸部に多い。
幹は株立ち状、或いは下部で枝分かれして多幹となり、枝にはトゲ状の小枝が生じる。
成木の樹皮は黒褐色で、縦にはがれる。若い枝は褐色を帯びた鱗状毛に覆われる。
葉は互生し、葉身は広楕円形~広卵形で長さ3〜9cm、縁が波打つこともある。先は鈍頭、
基部はくさび形。表面には銀色の鱗状毛がある。裏面は銀色の鱗状毛が密生し、赤褐色の鱗
状毛がまばらに混じる。葉柄は長さ5〜10mm、赤褐色の鱗状毛がまじる。
花期は4〜5月、葉腋に黄白色~淡黄褐色の花が1〜3個下垂する。花に見えるのは萼筒で、
先が4裂する。花弁は無い。萼筒は円筒形で長さ8mm、萼片は4個で外側は銀色の鱗状毛が
生える。雄しべは4個、雌しべは1個。
果実は偽果。長さ1.5〜2cmの楕円体で、6〜7月に赤熟し、食べられる。
種子は長さ1.2cmほどの長楕円体で、深い溝が8個ある。



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