里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

イグサ 耕作放棄田

2022-07-04 | 日記

登米市津山町、丘陵地の狭間の集落道をゆるやかに下って行くと、道下に田んぼが続いて
いますが、その内の数枚は耕作放棄されていて湿地性の植物が繁茂しています。
田んぼへ踏み込むと少しぬかるみますが、草を踏みしだいて歩けば登山靴でも歩けますね。

そんな耕作放棄田に生えていたのがイグサです。畳表として用いられる草ですから、どな
たにもなじみのある植物ですよね。直径1~2mmの細い茎ですが、しっかり立ち上がっ
ている草姿が印象的で、茎に付いている薄茶色のものは果穂です。
溜池や湿田の縁、水路際などにふつうに生えている抽水〜湿生植物です。

                              二枚とも2022.6.26撮影

ここに生えているイグサの草丈は50cm前後で、太さもさほど太い方ではありません。
耕作放棄田ですから、栄養状態があまり良くないのかも知れません。

かつてイグサの栽培では岡山県が有名でしたが、現在では熊本県が国内生産の第1位です。
また畳表は中国からの輸入品が増えています。国産比率そのものが下がり続けていて、現
在では20%ほどまで低下しているようです。

                                  2022.6.26撮影

イグサ科イグサ属の多年草で、日本全土に分布し、草丈は40~100cm。
溜池畔や耕作放棄田、河川敷や用水路沿いなどに自生する抽水〜湿生植物。
根茎を伸ばすが短いので、ほとんど株状に生育する。茎は円柱形で直径1〜2.5mm、中心
には均一に髄が詰まる。葉は退化して、茎の基部を包む鞘となっている。
花期は5〜9月、花序の先に茎状の長い苞が伸びるので、花序は側生するように見える。
花序は数本の短い花茎の先から、さらに小花茎を伸ばし花が集合する。
花全体は緑黄色〜淡い褐色、花被片は披針形で6個、雄しべは3個。
果実は楕円体の痩果で、花被片より長いものからほぼ同長のものまで変異に富む。
種子は卵状楕円体で長さ0.4mmほど。

 



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