大和町宮床地区の南西部を基点に、仙台市泉区北西部の山中を巡って、山野草
を観察しました。一帯は山地の中腹で標高300mほど、小さな沢に沿った斜面に森が
広がっています。そこに、意外にも道形が残されていて、かつては宮床西部から根白石
方面へ抜ける峠道だったのかも知れません。
これを辿ると、路肩に二つ三つと黄色い花が浮かぶかのように咲いていました。
ヤマブキソウの花ですね。
もっと咲いていないか谷側を覗き込むと、沢近くの斜面に群れ咲いていました。
二枚とも2016.5.14撮影
ヤマブキソウは全草にアルカロイド系の有毒成分を含んでいて、茎や葉を傷つける
と黄汁を分泌し、これに触れるとかぶれるので注意しなければなりません。
また誤って食べると、吐き気、手足のしびれ、呼吸麻痺等の症状が現れるようです。
ヤマブキソウは「アリ散布植物」の代表格で、種子にはエライオソームという糖分が
付いていて、アリが好んで巣まで運ぶそうです。
エライオソームだけがアリの食料となり、種子の部分は巣外に運んで捨てられ、
そこで発芽する仕組みのようです。
このような方法で種子を散布する植物は他にもあって、日本ではカタクリ属やスミレ属、
フクジュソウ属、イチリンソウ属などが知られています。
2016.5.14撮影
ケシ科クサノオウ属の多年草で、宮城県以南の本州~九州に分布する。
山地の沢沿いや窪地など、やや湿り気のある林内に自生し、しばしば群生する。
根生葉は奇数羽状複葉で長い柄がある。小葉は5~7個、広卵型で長さ2~5cm、
幅2cmほど。縁には切れ込みと不ぞろいな鋸歯があり、葉先は尖る。
茎はやわらかく、草丈は30~40cm。
茎葉は茎上部に付き、小葉は普通3個、広卵型で長さ3~5cm、先端は尾状に尖る。
花期は4~5月で、茎上部の葉腋に1~2個の花を付ける。 花は黄色い4弁花で
直径3~4cm、雄しべは多数、雌しべは1本。
果実は細長い蒴果で、中に小さな種子が2列に並ぶ。
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