一関市弥栄地区、北ノ沢集落北方の丘陵地中腹で、沢沿いの農道を下っていくと、
西側から段丘が迫って、崖下を歩くようになります。
崖は湿り気のある土質で、木々の枝が被さっていますから半日陰になっていて、そこに
湿り気を好む草が生い茂っています。
その中に、緑白色の花穂を付けたイラクサ科の植物が点々と生えています。
一見するとアカソのように見えますが、茎が赤くないので別の種でしょうね。
何となくヤブマオに似ています。
二枚とも2017.8.19撮影
帰宅後に植物図鑑で調べると、ヤブマオより華奢なメヤブマオのような印象です。
葉先が3尖裂し尾状となって尖っていること、葉質がやや薄いことなどの特徴も合致すること
から、「メヤブマオ」と同定します。
アカソとヤブマオの交雑種を起源とする説もありますから、同定が難しいのは当然かも ?
2017.8.19撮影
イラクサ科ヤブマオ属の多年草で、北海道~九州に分布し、草丈は100~150cm。
山野の林内や林縁、日陰~半日陰の道路法面などに自生し、湿り気を好む。
茎は叢生し、鈍稜があり、短毛を密生する。葉は対生し、葉身は広卵形で長さ10~20cm、
先端は多くが3尖裂し、中央が尾状となり尖る。鋸歯は先端に向かって粗く重鋸歯の傾向あり。
質はやや薄く、両面に短毛がやや多い。葉柄は葉身とほぼ同長。雌雄同株。
花期は8〜9月、茎の下部に雄花序を上部に雌花序をつける。生育のよいものでは下部から
円錐花序がでるが、上部は穂状である。雄花は球状に集り、4花被片と4雄しべがある。
雌花の球状の集りはやや離生し、花被筒に包まれた果実は倒卵形または広倒卵形、縁に翼があり、
全体に毛があるが、上部の毛が長い。
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