一関市弥栄地区を通る大船渡線の、土手に咲いていたボタンヅルです。
道路際の低木に被さって花を咲かせていたり、無住の民家周りを被い尽くしていたり
と、あちこちに群れ咲いています。
僅かに乳色を帯びた白花で、花びらのように見えるのは萼片です。
それと同長で、八方に広がっているのは雄しべの花糸です。
きれいな花ですから摘み取って観察したくなるところですが、毒草ですから、
なるべく触らないようにしています。
二枚とも2017.8.19撮影
ボタンヅルの全草に配糖体ラヌンクリンが含まれており、葉をすりつぶしたりすることにより加
水分解され、プロトアネモニンを生じ、これが有毒な成分と考えられています。
プロトアネモニンは淡黄色、油状で、揮発性が強く、皮膚や粘膜に対する刺激性の強い物質です。
この刺激性は、プロトアネモニンが皮膚や粘膜のスルフィド基と結合して起こると考えられています。
汁液が皮膚に触れると、赤くなったり水腫が生じたりします。
誤食すると、口内の腫脹、急性胃腸炎、激しい腹痛、下痢、血尿、消化器出血、嘔吐などの中毒
症状が現れます。
2017.8.19撮影
キンポウゲ科センニンソウ属のつる性半低木で落葉性。つるの基部が木質化する。
本州~沖縄に分布、日当たりのよい山野 に自生する。
葉は対生し、長柄のある奇数羽状複葉で、小葉は3~7枚付く。葉身は卵形で長さ2~9cm、
先端は次第に尖り、縁には粗い鋸歯がある。葉表の葉脈部分が網目状にへこむ。
他物に小葉柄と葉柄で巻きついて生長する。葉柄は長さ1.5~14cm。
花期は8~9月、花は白色で直径2cmほど、上向きに多数付ける。十字形の花弁に見えるのは
萼片で、長さ6~8mm、幅2.2~3.5mm、先端は鈍頭。雄しべは多数、長さ4~6mm。
果実は痩果で長さ3~4mm、紡錘形で暗褐色、開出毛が密生する。
花柱は果時に残り、長さ0.8~1.2cmに伸び、羽毛状になる。
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