里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミツマタ 紙幣の原料

2017-04-12 | 日記
栗原市栗駒の、綱木川に沿う林道を上がっていくと、右手に伐採跡地が広がって
います。赤茶けた裸地が見えるので、スミレなどが咲いているかと、小高い丘に
上がってみると、ナガハシスミレが咲いていました。
撮影後、対岸の山を望むと中段に耕作地が見え、脇には民家か農小屋のような
建物が木々を透かして見えます。
地形図を広げると、破線ながら耕作地に上る道が記されています。
林道に戻ってから少し西へ行くと、左手に細道が下っていて、細い板橋で川を渡ります。




                             二枚とも2015.4.8撮影

山道を上がっていくと、笹が密生する斜面に黄色い花が咲いています。
ミツマタの花ですね、平地の庭木は3月の中旬には咲きますが、積雪の多い山手ですから
開花時期が一ヶ月ほど遅れるのでしょう。
三箇所ほどミツマタ群があるので、かつては栽培されていたのでしょうか。
二年前、気仙沼市唐桑町の、歴史の道である「気仙道松ノ坂峠」沿いの山林で、
数十株の放置されたミツマタ群を見て以来です。

ミツマタ群の直ぐ上が平坦地になっていて、古い民家と作業小屋があるものの、
いま人の気配はなく、農小屋として使われているようです。


                                 2015.4.8撮影

ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木で、高さは1~2m。
原産地はネパール~ブータンで、江戸末期に中国経由で渡来したと言われる。
樹皮が和紙の原料となり、ガンピ、コウゾとともに和紙の三大原料とされる。
繊維が短いため、紙にすると艶があって精巧な印刷に耐え、耐折強度も強いこと
から、紙幣として大量に利用されてきた。
現在は主に中国・四国地方の山間部て栽培されているが、かつては各地で栽培され、
それが山野に逸出し野生化しているところもある。
秋に枝の先端に花芽を作り、新葉に先立って頭状花序を下向きに咲かせる。
花期は3~4月、花のように見えるのは筒状のガクで、先端部が4裂し、内側は黄色、
外側は白色で短毛が密生する。
葉は披針形で長さ5~15cm、葉表は緑色で裏は粉白色、縁に鋸歯はない。
和名のミツマタ(三叉)は枝が3叉状に出ることによる。


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