石巻市北村地区、丘陵地の集落道をゆるやかに上がって行くと、南向きの道路法面に黄色
い花が咲き始めています。花茎を立てて花を付け始めた株が7~8株あって、その草姿や
花色から、たぶんアブラナ科の植物でしょう。
法面を上がって確認すると花はまだ半開ですが、4弁花ですからアブラナ科の植物で間違
いないでしょう。よく見るアブラナに比べて、花茎が太く花数も多いですね。
アブラナとかダイコン類の根生葉は羽状複葉なのに、この植物の根生葉は単葉です。
また黄緑色の葉の部分が、ちりめん状に縮れています。
何となくハクサイの葉のように見えます・・野に逸出したハクサイでしょうか。
さらに集落道を行くと、たくさんのハクサイが植えられた畑がありましたから、やはり野
に逸出したハクサイという思いが強くなりました。
ただ、栽培種のハクサイは結球しているのに、ここのハクサイは根生葉を広げるだけで結
球していません。貧栄養ゆえに結球しなかったのか、或いは先祖返りして結球しなかった
のかまでは判りませんけどね。
三枚とも2024.1.18撮影
ハクサイの原産地はヨーロッパの地中海沿岸地方で、その頃は結球しなかったようですが、
中国へ伝播後に結球型に改良され、広く普及しました。
我国への渡来は遅く明治初期になってからですが、栽培は上手くいかなかったようです。
その後、日清・日露戦争において、派兵された日本兵が旧満州・朝鮮で大きく結球したハ
クサイに出会って種を持ち帰り、現在に至っています。
ハクサイの栽培が上手くいかなかったのは、カブなどの他のアブラナ科の野菜の近くで栽
培すると交雑が進み、純粋な種子が得られなかったからです。
そこで、隔絶された環境で栽培しようと、大正時代に塩釜市の浦戸諸島で試行錯誤が繰り
返され、ついに成功したのが渡辺採種場で、その品種名が「松島純2号」です。
現在も浦戸諸島や東松島市の宮戸島では、採種用にハクサイが栽培されています。
二枚とも2024.1.18撮影
アブラナ科アブラナ属の二年草で、結球型の原産地は中国。草丈は100cm。
秋に芽生え、根生葉で越冬し、春に花茎を伸ばす。
葉身は長倒卵形で長さ10cm〜40cm、浅い鋸歯があり、波状に縮れ、肉厚で幅広く白い中
肋がある。葉は螺旋状に互生し、幾重にも重なって結球、軟白化する。外側、葉の先端部
はやや開く。茎葉は主として三角状で、茎をなかば抱く。
花期は3~4月、花茎を長く伸ばして先端に総状花序を作り、鮮黄色の4弁花を咲かせる。
花の直径は15~25mm、萼片4枚、雌しべ1本、雄しべ6本。
果実は長角果で、内部は2室に分かれ多数の種子が入る。
種子は褐色で直径2mmほど。
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