里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

マムシグサ 見るからに有毒

2017-03-24 | 日記
マムシグサは茎や花から秋の実まで、全て不気味な感じがします。
嫌なら見なければ良いのだけれど、「恐いもの見たさ」と同様で、また見てしまう。
果穂の実は完熟すれば朱色になりますが、今は半分青いままですから余計に不気味。
有毒植物ですから、毒蛇の警戒色と同じ意味を持つのでしょうね。

ここは南三陸町南部、水戸辺川中流域の薄暗い杉林の中で、地面も湿っているので
立入りたくないような場所です。そこに三株がまとまって自生していました。




                             二枚とも2015.9.27撮影

まだ熟す前の青い実をトウモロコシと勘違いし、子供が食べて口中の痺れや腫れで
病院へ運ばれたとか、赤い実が美味しそうだからと食べて入院等の事例があるようです。
塊茎にはトリテルペノイドサポニンやシュウ酸カルシウムが含まれています。
口唇、口内の痺れ、腫れなどのほか、腎臓にシュウ酸カルシウムが沈着して腎機能を
障害すると言われています。 茎や葉にもシュウ酸カルシウムが含まれているので、
野生のシカやカモシカは絶対に食べないそうです。
茎や葉、根茎の傷などから分泌される汁が肌に付くと、かゆみやただれを起こします。
汁に含まれるシュウ酸カルシウムの微細な針状結晶が、皮膚や粘膜に刺さるために
痒みや爛れになるのだとか。精々写真を撮るくらいにして、触れないことが一番ですね。


                                 2015.9.27撮影

サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、日本全土に分布する。
低山から山地の湿り気のある林内などに自生し、草丈は20~100cm。
地中に塊茎があり、直径3~5センチの扁球形で、細いひげ根を四方に伸ばす。
筒状の葉が重なって花茎を巻いていて、茎のように見える部分を偽茎という。
偽茎にマムシの銭形模様に似た紫褐色の斑紋が生じるので、マムシグサと名付けられた。
偽茎の途中からは2枚の葉が出て左右に開出、幅20~30cmほどの掌状で横に広がる。
葉は7~15枚の小葉で構成され、小葉は広楕円形~線形。
花期は4~6月で、偽茎の間から花茎を伸ばし、先端に仏炎苞に包まれた肉穂花序が付く。
仏炎苞は紫褐色~淡緑色で、縦に白い筋が入る。
雌雄異株で、雌株には棍棒のような穂軸の下に、緑色の子房のある雌花が多数付く。
果実は液果の集合果で、トウモロコシ様の果穂となり、上側から赤く熟していく。
液果中には2~6個ほどの種子が入る。


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