goodシネマ 全集 ① 東京物語
小津安二郎映画音楽集 東京物語 斎藤高順作曲
名匠・小津安二郎の代表作で、東京で暮らす子どもたちを訪ねた老夫婦の姿を通し、戦後日本における家族関係の変化を描いた不朽の名作。
ローポジションやカメラの固定といった“小津調”と形容される独自の技法で、親子の関係を丁寧に描き出す。
尾道で暮らす老夫婦・周吉ととみは、東京で暮らす子どもたちを訪ねるため久々に上京する。
日常の中の悲劇を淡々と 『東京物語』について小津安二郎監督は、「親と子の成長を通じて、日本の家族制度がどう崩壊するかを描いてみたんだ」と語っています。
それは人間の老いと死、崩れていく親子関係のような日常の避けがたい喪失感のことです。
癒る、癒る・・・・・・。 癒るさァ・・・・・・」と笠智衆が病床の妻を看病しながらつぶやくセリフが「東京物語」の最後の方に出てくる。
癒る見込みのない妻の死を笠が自分の身に受け入れていく過程を、この「癒る」という言葉の繰り返しは表現している。
『晩春』、『麦秋』(51年)、『東京物語』(53年)は演じた役名がすべて紀子で「紀子三部作」と呼ばれる。
とりわけ『東京物語』は小津監督の最高傑作となり、原節子もまたこの作品で女優として頂点を極める。