氷河期世代をテーマにした恋愛小説。この冷たい世界に怯みそうになっても、二人でいれば大丈夫。だけど、荒れ狂う嵐の夜は、ある日突然にやってくる。30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規のぼく立原堅志と、スーパーでパートをする28歳の彼女保木日菜子。自分がいかにダメな人間か、いつも思い知らされている。それでもぼくたち二人は、お互いをちゃんとほめあい、守り合って生きていこうと決めた。そんな日々がずっと続くと信じていたのだが堅志に正社員登用の話がきたことをきっかけに、日々に少しずつ変化が訪れる・・・。氷河期世代は就職活動していたのに現在非正規として働かざるを得ない人たちのことだが、主人公は自ら就職活動を辞めてしまったのだから本人の性格の問題だ。最後まできれいごとを並べて貧困に甘んじる主人公に感情移入は出来ず、調子の好い出来事もご都合主義で恋の行方の予想も早々と予想できた意外性がなかったのは残念。
2019年11月新潮社刊
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