読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

石田衣良著「清く貧しく美しく」

2020-10-29 | 石田衣良
氷河期世代をテーマにした恋愛小説。この冷たい世界に怯みそうになっても、二人でいれば大丈夫。だけど、荒れ狂う嵐の夜は、ある日突然にやってくる。30歳・ネット通販大手の倉庫で働く非正規のぼく立原堅志と、スーパーでパートをする28歳の彼女保木日菜子。自分がいかにダメな人間か、いつも思い知らされている。それでもぼくたち二人は、お互いをちゃんとほめあい、守り合って生きていこうと決めた。そんな日々がずっと続くと信じていたのだが堅志に正社員登用の話がきたことをきっかけに、日々に少しずつ変化が訪れる・・・。氷河期世代は就職活動していたのに現在非正規として働かざるを得ない人たちのことだが、主人公は自ら就職活動を辞めてしまったのだから本人の性格の問題だ。最後まできれいごとを並べて貧困に甘んじる主人公に感情移入は出来ず、調子の好い出来事もご都合主義で恋の行方の予想も早々と予想できた意外性がなかったのは残念。
2019年11月新潮社刊


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 散歩。冬桜 | トップ | 麻生幾著「トツ!」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

石田衣良」カテゴリの最新記事