ゆりちゃんと語ろう♪

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命~最後の選択

2009年04月29日 20時40分28秒 | Weblog
皆さんへのコメントのお返事もしないままに
新しい日記をUPするのは、とても失礼だと思いながら
どうしても、お伝えしたくて、書いています


今日は、お通夜に行きました
気持ちが落ち着いたら、くださったコメントにあらためて
お返事します
ごめんなさい

遠い旅に出発されたのは、お世話していたおじいちゃん
ご自分で、「病院でチューブだらけになって、死ぬのはイヤだ」と
選択されたの
彼は、身寄りがほとんどなく、孤独な方でした。

私たちには、「守秘義務」という義務があるので、詳しい病症などは
ここに書けないのだけど・・・

「ターミナルケア」というコトバをご存知ですか?
人生の終末までを、見送るお世話のことを指します

ここのところ、状態が悪く、夜勤者は不安でした。
そして、私の夜勤にそれは訪れました。
もう、なすべきことは、ほとんどない

私は、医療というより、人として 彼が気持ちよく最後の時を
過ごせるよう、配慮しました。

もう、体が辛くて、体に触れられることもイヤな様子
では、なにが出来るのか・・・

呼吸がラクなように、加湿器を設置し、もう飲み込むこともできない
彼の口に、少しづつ、綿花で水分を・・
呼吸が荒いので、口が渇くでしょう
彼は、口が渇いているときは、自ら、口を開けてくれました

唇を綿花で湿らせ、小さな声で、子守唄を・・・
私、歌はヘタだけど・・

意識レベルは低下して、たまに私を認めることがあれば
「心配いらないよ?ずっと一緒にいるから」

朝が来ました。

「○○さん、新聞が来たよ♪」

いつも、夜勤の朝には、そうしていたの
彼は、そのひとことが、とっても好きで、具合が悪くても
とても嬉しそうだったから。
読めないことは、もちろんわかってたけど、いつものようにしたかった。

彼は、枯れ枝のような腕を上げて、身振りで「ありがとう」

「今、読みますか?」

うーん・・ムリだ・・という顔。

「じゃ♪ココに置きますねー♪今日は、なんか面白いのあるかなあ?
コンサドーレは、最近、連勝してるんだよ?
あとで、読んでね?」

もう一度、腕を上げて、「ありがとう」のしぐさ・・
涙が出そうになる。朝、5時30分。
もう、すでに無意識に腕や、足が動くレベルに達しているのに
こうしてお礼をするなんて・・もう時間がない。

泣いてはいけない。
私には、彼だけではなく、皆を守る義務がある。
泣くことは許されない。


そうして、呼吸が変化しました
短く「ハッ・・・・ハッ・・・」
朝、6時20分

瞳孔が開いて、意識がほとんどなく、もう血圧計も反応しない。

すでに、ほかの高齢者は起きてきている
すぐに管理者と、医師に連絡し、私は努めて冷静に明るく振る舞い
「おっはようーー♪今、すぐごはんにするからねー♪」
不安を与えてはいけない。
次は誰か、わからない。
そう思っているのは、誰よりも、高齢者本人たち。

その30分後、おじいちゃんは、遠い旅に出発されました。
目を赤くした管理者が「○時○分・・」と、私に伝えた。

私は、努めて明るく振舞ったけど、とっても辛かった(TT)
「○○さあ~~ん♪テーブル、拭いてもらってもいい?」
「いや~~お天気いいよねえ♪」

喉が、くーっ・・くーーっ・・って鳴る・・
でも、泣いてはいけない。
この人たちを不安にしてはいけない。
誰もが、「次は自分だ」と思ってしまうだろう・・

そして、仕事が終わって、やっと遠い旅に出たおじいちゃんと
再会できた。
もうご家族も到着していて
「一晩、ご一緒させていただきました。もう勤務明けになりますので
お別れしてもいいでしょうか?」

ああ・・こんな大事なときに「一晩ご一緒」って・・
私ってば、ボキャブラリーに大問題。

冷たく、白くなった彼の体を抱いて、やっと泣きました。
なんと崇高な最後だったでしょう。

自分で選んだ死に方を、最後まで守り通した。
点滴も、チューブも受け付けず・・・
最後まで、「痛い」「苦しい」と言わず。

もう、満足に立てなくても、おばあちゃんにトイレを譲る人でした。



お通夜では、名誉挽回しようと思ったのに
「○○さん、看取っていただいてありがとうございます」と言われて
あまりにも感慨深くて
「・・・・・・とても・・ご立派でした。」
それしか、言えなかった。
唇が震えてしまって・・

お通夜が終わって・・・
職員が 私のことを冷静な対処だとほめる
「私には、出来ない」
誰が冷静だったんじゃい☆

私は、勤務が終わったあとの更衣室で、ずびずび泣いてた。
ただ、勤務中だけは、泣くことを許さなかっただけだ。
自分に・・

とても立派な最後でした。
晴れた日の朝は、彼の最後までの頑張りを象徴するように
きらめいていました

「オレは自分の意思をまっとうしたよ」

そうだね。
ほんとにそうだったね。
立派だった・・・


自分で最後を選ぶこと。
そして、本人が望む最後を 迎えさせてあげること。
とても難しい問題。

死だけは、平等に、誰にでも訪れる。
元気なときは、誰もそれを意識しない。

でも、これを読んでくださった皆さんに お願いがあるのです
身近な人、もしくは自分に、いつでも、もしかしたら
明日にも、その旅立ちがあるかもれないと思ったりする。



誰かに、「ごめんね?」や、「ありがとう」や、「大好きよ」を
言い忘れていませんか?
もしも、少し恥ずかしくても、言ってね?

結婚して長くなると、「愛してる」って言ってますか?
ちゃんと言葉にしてみませんか?
生きてる間はね?
言葉にしないと、思いは通じないかもしれませんよー♪

ご両親、お友達、恋人、妻、夫、そしてもっといろんな人々・・・

大切な人に、「ありがとう」と伝えてください
時間は、待ってくれないことがあるかもしれない


聞いてくれてありがと






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24 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そのとおりですね (kusapon)
2009-04-29 22:47:59
普段過ごしている何気ない毎日。
‘なんでもないようなことが、幸せだったと思う’

素直になれないのか、
両親とも、兄弟とも、あまり心を開けない自分。
一人ぼっちだと思っていたら、
実はとても心配かけてた。

口には出せないときってどうしたらよいのでしょう。

訳のわからないコメントでごめんなさい。
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無題 (NAK)
2009-04-29 23:14:34
とても大切なお仕事をされてるのですね

私もこの冬、友人の死に直面しました
死とは隣り合わせであることを改めて思い知りました

でも、ゆりさんに看取られてお亡くなりになったおじいさんはきっと幸せだったと思います
返信する
ありがとう (ユミちゃん)
2009-04-29 23:23:16
なかなか、素直に言えない言葉だよね。
「ごめんね」「ありがとう」「大好きよ」
いつも、言い忘れているよ…
素直に言ってみるね

「ターミナルケア」知らなかったです。
お仕事とは言えども、大変ですよね。
ゆりちゃんのお陰で、おじいさんは安心して
立派に旅立つ事がが出来たのではないかな?
おじいちゃんのご冥福をお祈り致します。


こうして年齢を重ねて行くと、たまに考えてしまいます。
自分にも、必ず死は訪れるんですよね。。。
先月、友人が40歳という若さで亡くなり
とても悲しかった。
そんな彼女の、そろそろ49日です。

彼女の分も、元気で頑張って生きていこうと思っています

返信する
涙が止まらない (チーコ)
2009-04-30 07:25:32
ゆりちゃんの言ってる事よく理解できる。私の母の時と重なってね。そんな大変な時だったのに…ゆりちゃん…ありがとう。おじいちゃんのご冥福祈ります。そしていつか訪れる自分のその時の為に、愛する家族や友達大切にしていきたい。何かを忘れている人、正義を勘違いしてる人にも伝えたい。自分も含めてね。ありがとう。
返信する
ご冥福をお祈りします (pi)
2009-04-30 08:28:30
“もう、満足に立てなくても、おばあちゃんにトイレを譲る人でした。”

涙が出ました・・・
どんな体調が悪くても、人の優しさは素直に受け取り、甘えすぎず、そして他人にも優しさを与える・・・
人としてあるべき姿を最後まで貫いていた立派なおじいちゃんだったと思います!

きっとゆりちゃんや、お世話するスタッフの接し方に温かい心があり、おじいちゃんも心地よかったんだろうね・・・

人やペットの死に行く姿は、実は私はまだ一度も見たことがありません。
何度も看取ったことがあるゆりちゃんに、強さを感じました。
利用者さんの前では気丈に振舞ったんだね!
偉かったね・・・
ゆりちゃん、お疲れ様でした!
返信する
最後を迎える・・・ (フルーリー)
2009-04-30 09:31:17
こんなおじいちゃんやおばぁちゃんが私が入院していた病院にはいました。
今すぐに?とまではいかなくてももう先は長くない人たちでした。
看護師さん達はいつも忙しく動き回っていました
いつもナースコールが鳴っていました
休む暇なく鳴るナースコール・・・

本当に大変なお仕事です

おじいちゃんもきっと最後の夜をゆりちゃんと過ごせたこと思い出に旅立ったと思うよ
ありがとう~ゆりちゃんって・・・
返信する
Unknown (まなぶ)
2009-04-30 15:48:42
苦しみや命とそんなにも近いところに居たんだね。

読みながら、涙が止まらなかった。
嗚咽が込み上げてヤバかった。

そんなにも命をかけた生き方を日々見ているなんて、
自分は直視出来ないかもしれない。

自分の最後までの生き方を考えさせられました。
泣きたいときに泣けないなんて辛いね。
返信する
kusa-ponしゃんへ (ゆりちゃん)
2009-04-30 20:00:22
そうかあー
私は、くさぽんちゃんのやさしさを充分知ってるよ
ご家族なら、もっとわかってると思う。

きっと言葉にしなくても、わかることって
あるんだと思う。
でも、感謝を表すことって、確かに大事だもんね♪

お誕生日に、そっとなにかプレゼントを
渡したりはどうかなあ?
伝わると思う♪きっと。
返信する
NAKさんへ (ゆりちゃん)
2009-04-30 20:04:44
うん。大変だったね。あの時は・・・
ショックだったでしょう。
お友達のご冥福をお祈りしています。

日ごろ、死というものを遠いものに
感じているから、直面しないと実感できないよね

私なりに精一杯やったつもりだけど
おじいちゃん、シアワセな最後だったかな?
返信する
ユミちゃんへ (ゆりちゃん)
2009-04-30 20:07:50
うん。言ってみてね♪
心を伝えてね♪

ユミちゃんのお友達のご冥福をお祈りしています。
まだ若かったもんね・・
あのときのユミちゃんの日記は
本当に辛そうで・・・(TT)

でも、ほんと、彼女のぶんまで生きなくちゃ♪
人生を謳歌するのだ!
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