『ムーたち』(１)(２) 榎本俊二 著

■『ムーたち』(１)(２)　榎本俊二　著
会社の左隣り席に座ってる若いのにとっても仕事がデキて、人間もできている女性社員さんに
おススメマンガを聞いて、とっておきを借りて読んだのがこちらの２巻。
（２）はなんとっ？！著者のサイン入りだった！！！驚

借りてきたその日にチラっと中を見た時は、疲れてたせいか余計にワケがわからずダメかも・・・と投げかけたんだけど
後日あらためて無心で読んだら、いろいろパターンが見えてきた時点ですごい楽しくなってきた！！！
お父さんの顔が１コマごとに無意味なほど多種多様に変化して、それを見てるだけでもアートで楽しいが、
毎話、奥の深い禅問答か、心理学みたいなことを、易しくくだいて親子の会話にしてる。

気に入ったのは、とにかく日常のあらゆることを記録してる青年・規理野（きりの）くんが
その膨大な記録の成果を発表するたびに結果が微妙で「そうと言えなくもない」ぐらいの感想の父ミノルが
彼の果てしない努力に対して毎回ラストに愛情込めて見送りの言葉をかけるセリフ、

「ゴッド・ブレス・ユー」

擬音がすべて「まぜり」「かけり」って形で統一されてたり、
自分を見つめるもう一人の自分（セカンド自分、サード自分）を操ったり、
忘れ物を思い出したり、想像で旅行したりするのに記憶の中の親子共同で語り合ったり、
とにかく、これは今まで読んだことがない「マンガの新しい形」でとっても新鮮！！！

お父さんの登場の仕方にも無限の種類があって、一体このウチの部屋の作りはどぅーなってるのかも気になる！←マドリスト的視点
いつも半ケツなパンツを履いてるとか細かいことまでツッコミはじめたら無限大ｗ

１番感動した話は、「moo.59　募秒」。
痛くも痒くもない１円募金を世界中から集めたら60億円になるし、
痛くも痒くもない１秒間の寿命を世界中から集めたら190年分になって、お年寄り３人くらいは若返えらせる計算になるって。
ほんとに世界中のみんなが世界中にいる人たちのために力を合わせたら、不可能なことはないんだ。
本来はとっても単純なこと。

未来の家族、未来の教育、未来の世界がこんなだったら面白そうだ。
これなら手元に置いて何度も見たくなる。その時ごとに受ける印象、考えることが変わるかも。


ほかにも『GOLDEN LUCKY』（全10巻）とか『えの素』とか名作を描いてる天才らしい。気になる！