素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

魔王ベリトの話。

2019年11月27日 06時38分28秒 | 日記
パタリロで一時期、魔界編とでも言うべきシリーズをやってたことがあって。
内容は「主人公であるパタリロ=ド=マリネール8世が、ご先祖の6世の魔界での活躍を夢で見る」というもの。
このご先祖、金欲しさに自分の魂を大悪魔・アスタロト公爵に売り渡し、生きたまま魔界に連れてこられてアスタロトの召使として様々な仕事をこなしているという、まさにパタリロの先祖に相応しいメチャクチャな人物なんですけど。
そのシリーズ中、魔界というものは、という世界設定の説明が。
「魔界では悪魔を統べる魔王たちが己が覇を示すために、日々権力争い、財産の奪い合いが起きている」
「現在の魔界には、アスタロト、ベールゼブブ、ベール、ルキフェルという4大実力者が居り、その上に君臨するのがサタン」
「悪魔にとっての財産とは、人間の魂。魂の価値は、生前の生き方によって決まる。枢機卿の魂などは魔王ですら血眼になって欲しがるほどの価値が」
こんな感じなんですね。
サタンや4大実力者は別格ですけど、その他大勢で魔王を名乗る悪魔はたくさん居て。
彼らは表立っては大戦争に発展するのを恐れて穏やかにはしていても、裏では他の魔王から財産を掠め取ってやろうだとか、今度寿命を迎える枢機卿の魂を、あいつを出し抜いて俺がゲットしてやろうだとか。
結構ドロドロしているわけです。

で。

そんな魔王の中に、ベリトと名乗る悪魔が居て。
(メガテンでもおなじみですね)
背の低いおっさんみたいな姿の悪魔なんですが、特徴は嘘ばかり吐くこと。
サタン様はダッコちゃんファンだとか、アスタロトとベールゼブブはBL関係にあるだとか。
誰が聞いても「嘘だろ」って呆れられる嘘を日々吐いている。

で、他の魔王の彼の評「なんであいつが魔王になれたんだ」

魔王たちの間では「ベリトは嘘しか言わない」「ベリトの言ってることの逆が真実」

これが常識になってしまっているのでした。
そんなある日。

ベリト「アスタロト様、安心していい。あなたの所有する枢機卿の魂は魂保管庫の中で適切に管理されている。管理が不徹底で、地獄の底からやって来た魑魅魍魎たちがあなたの財産を食い荒らしているなんてことは絶対にない」

これを聞いたアスタロトは、自分の財産が心配になり、召使のパタリロ6世とともに、強力な幻術で守られた自身の魂保管庫に足を運ぶんですけど。
当の保管庫の管理人たちは「別に普通に管理してますけど?」

何も起きていなかった。

そんな馬鹿な、ベリトの言葉が嘘じゃ無かっただと?と困惑するアスタロトたち。
そこに

ベリト「そこに居るのは本物のアスタロト様だ!」

突如ベリトが現れてそこでこの一言。
その一言で、保管庫の管理人達彼の部下の態度が一変。
ベリトは嘘しか言わない。ということは、こいつはアスタロト様じゃない!!アスタロト様に化けた偽物だ!!

アスタロトが「違う!俺は本物だ!!ベリトが本当を吐いているんだ!!」と訴えても全くの無駄。
聞き入れられず、強力過ぎて作ったアスタロト本人すら管理人の案内が無いと抜け出せない魂保管庫の森にパタリロ6世とともに置き去りにされてしまうという。

アスタロト「ベリトの武器は百万回に一回の真実だったのか……」

他の魔王たち同様、ベリトを軽く見ていたアスタロトは、そう呟いてベリトの恐ろしさを痛感するのですが。

……これ、パタリロ世界に限ったことじゃ無くて現実にもあるよねぇ。
あまりにも嘘を吐きすぎて、だとか。あまりにも言いがかりをつけすぎて、だとか。
それゆえに、発言内容を精査する前に「どうせ嘘なんだろう」「どうせ言いがかりなんだろう」と、決めてかかってしまいがちになる事例。
本人的には敵を叩いているつもりなんかもしれんけど、実際は敵を応援することにしかなってないというか。
見てて、ついつい上記の魔王ベリトの話を思い出してしまうんですよね。

え?何?
それはいつか本当を吐いて、大打撃を与えるための布石なの?

みたいな。