ネット暦が浅い私にとって、今回の一連のネット上の検察批判は勉強になった。
最近の「小沢一郎 vs マスコミ・検察」問題で、ネット上でしばらく検察批判の議論が盛り上がった。
それを私も眺めていて、今回はいい勉強になったな、と思った。
自分のツイッターでも@Clunio さんという方のツイッターを見ながら次のようにつぶやいている。
>ネット暦が浅い私にとって、今回のネット上の検察批判は勉強になった。RT @Clunio @gaitifujiyama: 今回の小沢疑獄でその発端となっている佐藤栄佐久氏のブログが更新されている。非常に示唆に富む内容なのでご一読を(2010年2月8日ツイッター)
その流れの中で私が知った名前に、元・検事「郷原信郎」氏がある。
それで今回、ためしに郷原信郎氏の『思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書 2009年)を読んでみたのだが、この本で最も印象深かったのは、TBSのテレビ番組「朝ズバッ!」の「不二家チョコレート再利用疑惑報道」の顛末を書いた部分である。
TBSが番組を捏造したのかそうでないのか、しばらく検証が続けられたが、すったもんだの末、司会者の「みのもんた」氏が、番組内で「不二家の商品」を「頬張り」ながら謝罪する、という手段が取られ、なんとその「広告効果」をもって捏造疑惑への責任が帳消しされてしまう…!
日本っておそろしい。
テレビの力はすげぇ、と思った。
みのもんた > テレビの力 >> ツイッターの力 > ブログ他
最近、ツイッターをやっている人の中に、政治家はバカなテレビ番組に出たりなんかせず、こちらのツイッターのつぶやきを充実させてください、と原口総務大臣などに直訴している人を見かけたことがある。
> @rrutan: 一瞬見ただけですが、太田総理に出ている政治家って、申し訳ないけどみんなバカに見えます。なので、もう出るのを止めたほうが良いです。ここで一所懸命つぶやいたほうが、あなた方のメッセージは届きますから。良くも悪くも。 (2010年1月29日ツイッター)
みのもんた氏の件を見るだけでも、そんなこと幻想であることがわかるだろう。
ツイッター上の、1000のつぶやきよりも、テレビ番組でのみのもんたの表情や身振りやひとことのほうが遥かに影響力をもっているのだ。
だから、原口総務大臣やその外の政治家たちも、TVタックルや、爆笑問題の番組に出演することをやめたりしないほうがよいと思う。
テレビに出る回数が少ない政治家は、選挙に弱くなると思うし、支持率が低くなる。
以下、郷原信郎氏の著作より・・・私が思わず唸ってしまった、「不二家のミルキーを頬張って謝罪するみのもんた」のシーン。
>その後、「朝ズバッ」では4月18日に、「謝罪放送」まがいの放送が行われました。
>問題となった1月22日の報道について、「出荷されたチョコレートが小売店から工場に戻る」という証言は証言者が他人から聞いたことで確証がなかったなど、「誤解を招きかねない表現があった」としたうえで、「やらせ捏造」は否定し、さらに司会者が不二家の主力商品のミルキーを頬張りながら、「スタジオのお菓子は全部不二家にしますから」と前日に販売を全面再開した不二家製品の宣伝をしたのです。
>結局、期限切れチョコレートの返品を再利用した事実の有無、証言テープの捏造の事実の有無など肝心なことは何一つ明らかにされませんでした。しかしこの放送を受けて、不二家側は、「TBSの謝罪を受け入れる」として、あっさり矛を収めてしまったのです。
>TBSのやり方は、公共の電波を使って、損害賠償請求をする可能性のある相手方に「無償広告」を行うことで賠償の代替措置をとろうというものであり、まさに「電波の私物化」以外の何ものでもありません。(郷原信郎『思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本』171p-172p)
関連記事:NYタイムズが日本の検察を批判?-英語の記事を読んで一部訳してみた 2010年01月21日
(→上杉隆氏のツイッターで知った、ニューヨークタイムズの日本の検察批判の記事を一部私訳しています。その中に、郷原信郎氏の名前が出てきます。)
関連記事:神保氏 vs 産経・読売-千葉法相の記者会見をめぐって 2010年01月21日
(ビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏の解説を読んで、ジャーナリズムのあり方について少し考えたりしていました。)
最近の「小沢一郎 vs マスコミ・検察」問題で、ネット上でしばらく検察批判の議論が盛り上がった。
それを私も眺めていて、今回はいい勉強になったな、と思った。
自分のツイッターでも@Clunio さんという方のツイッターを見ながら次のようにつぶやいている。
>ネット暦が浅い私にとって、今回のネット上の検察批判は勉強になった。RT @Clunio @gaitifujiyama: 今回の小沢疑獄でその発端となっている佐藤栄佐久氏のブログが更新されている。非常に示唆に富む内容なのでご一読を(2010年2月8日ツイッター)
その流れの中で私が知った名前に、元・検事「郷原信郎」氏がある。
それで今回、ためしに郷原信郎氏の『思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書 2009年)を読んでみたのだが、この本で最も印象深かったのは、TBSのテレビ番組「朝ズバッ!」の「不二家チョコレート再利用疑惑報道」の顛末を書いた部分である。
TBSが番組を捏造したのかそうでないのか、しばらく検証が続けられたが、すったもんだの末、司会者の「みのもんた」氏が、番組内で「不二家の商品」を「頬張り」ながら謝罪する、という手段が取られ、なんとその「広告効果」をもって捏造疑惑への責任が帳消しされてしまう…!
日本っておそろしい。
テレビの力はすげぇ、と思った。
みのもんた > テレビの力 >> ツイッターの力 > ブログ他
最近、ツイッターをやっている人の中に、政治家はバカなテレビ番組に出たりなんかせず、こちらのツイッターのつぶやきを充実させてください、と原口総務大臣などに直訴している人を見かけたことがある。
> @rrutan: 一瞬見ただけですが、太田総理に出ている政治家って、申し訳ないけどみんなバカに見えます。なので、もう出るのを止めたほうが良いです。ここで一所懸命つぶやいたほうが、あなた方のメッセージは届きますから。良くも悪くも。 (2010年1月29日ツイッター)
みのもんた氏の件を見るだけでも、そんなこと幻想であることがわかるだろう。
ツイッター上の、1000のつぶやきよりも、テレビ番組でのみのもんたの表情や身振りやひとことのほうが遥かに影響力をもっているのだ。
だから、原口総務大臣やその外の政治家たちも、TVタックルや、爆笑問題の番組に出演することをやめたりしないほうがよいと思う。
テレビに出る回数が少ない政治家は、選挙に弱くなると思うし、支持率が低くなる。
以下、郷原信郎氏の著作より・・・私が思わず唸ってしまった、「不二家のミルキーを頬張って謝罪するみのもんた」のシーン。
>その後、「朝ズバッ」では4月18日に、「謝罪放送」まがいの放送が行われました。
>問題となった1月22日の報道について、「出荷されたチョコレートが小売店から工場に戻る」という証言は証言者が他人から聞いたことで確証がなかったなど、「誤解を招きかねない表現があった」としたうえで、「やらせ捏造」は否定し、さらに司会者が不二家の主力商品のミルキーを頬張りながら、「スタジオのお菓子は全部不二家にしますから」と前日に販売を全面再開した不二家製品の宣伝をしたのです。
>結局、期限切れチョコレートの返品を再利用した事実の有無、証言テープの捏造の事実の有無など肝心なことは何一つ明らかにされませんでした。しかしこの放送を受けて、不二家側は、「TBSの謝罪を受け入れる」として、あっさり矛を収めてしまったのです。
>TBSのやり方は、公共の電波を使って、損害賠償請求をする可能性のある相手方に「無償広告」を行うことで賠償の代替措置をとろうというものであり、まさに「電波の私物化」以外の何ものでもありません。(郷原信郎『思考停止社会 「遵守」に蝕まれる日本』171p-172p)
関連記事:NYタイムズが日本の検察を批判?-英語の記事を読んで一部訳してみた 2010年01月21日
(→上杉隆氏のツイッターで知った、ニューヨークタイムズの日本の検察批判の記事を一部私訳しています。その中に、郷原信郎氏の名前が出てきます。)
関連記事:神保氏 vs 産経・読売-千葉法相の記者会見をめぐって 2010年01月21日
(ビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏の解説を読んで、ジャーナリズムのあり方について少し考えたりしていました。)