総務相が新聞社の放送局への出資禁止を明言「ビデオニュース・オン・ディマンド 」(2010年01月14日)
…原口一博総務相は14日の外国特派員協会での講演の中で、現在のメディア集中排除原則を改正し、新聞社のテレビ局への出資を禁止する法案を国会に提出する意思を表明した。…
…「クロスメディアの禁止、つまり、プレスと放送が密接に結びついて言論を一色にしてしまえば、そこには多様性も民主主義の基である批判も生まれないわけであります。これを、法文化したいと考えています。」原口氏はこのように語り、マスメディア集中排除原則を法案として提出する意向を明らかにした。…
ジャーナリストの上杉隆氏は、この報道に対し、
「原口総務大臣、遂にルビコンを渡る。」(上杉隆ツイッター 2010年1月14日)
とつぶやいた。
ジャーナリストの神保哲生氏によると、
>すべての報道を見たわけではありませんが、今のところ昨日の原口大臣のクロスオーナーシップ禁止発言を主要メディアは見事なまでに黙殺してますね。同じ講演 で出た外国人参政権問題への言及や5日のキー局の地方局への出資規制緩和のニュースはどこも記事にしているというのに…。
> more voices(言論・情報の多様化)の喪失、少数メディアの強大化、新規参入の制約、メディア内の相互批判能力の喪失。これが多くの国でクロスオーナー シップが禁止されり制限されている根拠です。今回の原口発言の報じられ方(報じられない方!)はまさにそれを立証している?」
>原口大臣のクロスオーナーシップ禁止発言について。「そんなことできっこないから、どこも報じてないんだよ。」友人のテレビ局幹部が(多分)親切心から解説してくれました。ありがとう。何と香ばしい。いろいろな香りがする発言でした。
>昨日のビデオニュースの報道に対して、原口さんテレビに出られなくなって選挙に落ちるよとか、原口さん死なないでなんてコメントまで届く始末。同じ日に検察 を真っ向批判した郷原さんについてはそんなこと誰も言ってこなかった。どうやら日本ではメディアは検察権力よりも怖い存在となっているようだ。(以上、神保哲生氏のツイッター 2010年1月14日より)
次の日、原口大臣は記者会見で、「クロスメディア禁止の法制化の発言について、ほとんどの主要メディアでは報じられていないようなのですが」という質問に対し、
原口総務大臣 「それは主要メディアの方に聞いてください。クロスメディア、これは何かというと、一つの大きな資本体がテレビも取るわ、新聞も取るわ、ラジオも取るわと、そして言論が一色になるということは、これは皆さんジャーナリズムの世界ではあってはならないということだとされているわけです。そして、いろいろな国が出資規制を置いている。そのことについて私たちもしっかりと、これは国会でも御議論いただいていることでありまして、その議論を踏まえた一定の結論を出していきたい、それを言っただけです。主要メディアが報じなかったどうかというのは、私のコメントできるところではありません。」(総務省HP「原口総務大臣閣議後記者会見の概要 1月15日」)
と答えている。
テレビ、新聞は今、小沢幹事長・秘書逮捕のニュースで一色になっている。
関連記事:宮本太郎氏の「官僚主導の三重構造」-原口一博氏ツイッターより 2010年01月13日
(→クロスメディア問題とは関係ありませんが、原口氏のツイッターの感想があります。)
関連記事:NYタイムズが日本の検察を批判?-英語の記事を読んで一部訳してみた 2010年01月21日