ブログ・プチパラ

未来のゴースト達のために

ブログ始めて1年未満。KY(空気読めてない)的なテーマの混淆され具合をお楽しみください。

宗教は「子供のときに見た青い空」か- 橋本治『宗教なんかこわくない!』より

2010年01月21日 | 橋本治
橋本治『宗教なんかこわくない!』は、20代の頃、赤線だらけ、ボロボロになるまで読んだことがあります。

その時の気分は、自分の中で「コレ」は終わりにしよう! と何かを決意していたみたいです。
結局は、形を変えていくだけで、その後も「コレ」はけして「終わりはしなかった」わけですが。

以下、『宗教なんかこわくない!』より

>「幸福とはどんなことか? それはあの“青い空”に対応するようなものだ。一体あの“美しい青空”というのは、自分にとってなんだったんだろう?」という思考方法を捨ててしまったら、もう“幸福”なるものは発見できない。

>宗教は解体された。だからこそ人間は、今や信仰抜きでも“美しいもの”が作り出せる。宗教は、捨てられるものではなくて、人間達によって解体され再吸収されることを必要としている“子供の時の美しい空の記憶”なのである。

creeping empiricism [けなして]地をはいずり回る経験主義

2009年11月21日 | 橋本治
先日、高校時代に使っていた『ジーニアス英和辞典』でたまたま「empirical 」(経験主義の)という単語を調べていたら、英語では「経験主義」という言葉が「やぶ医者」・「当てずっぽうの」といった悪い意味で使われることがあることを知った。

そこには、

empiric 〈名詞〉 ①経験主義者 ②やぶ医者

とあった。経験主義者は「やぶ医者」である、というこの断言はすごいなと思った。

やっぱりアレかな、医者たるもの、きちんと西洋医学の合理的な体系に則って治療しなければ医者にあらず、ということをこの辞書は教えようとしているのか。
経験だけで患者の診断や治療を行う人間は、行き当たりばったりのやぶ医者になりかねない、という教訓なのだろう。

じゃあアレかな、経験にもいろいろあると思うけど、empiric には、「赤ひげ」や間黒男(はざま・くろお=ブッラク・ジャック)みたいな先生も含まれるのだろうか。そんなことを想像してちょっとせつなくなりつつ、

他の派生語も見てみると、

empiricism 〈名詞〉 ①経験主義 ②いんちき医者の手口

というのがあって、「いんちき医者の手口」はまあいいとしても、①経験主義 で(例文)が一つだけ載っているのが気になって、それが
 
 creeping empiricism [けなして]地をはいずり回る経験主義

というものだった。

括弧の中の[けなして]というのは何たる言い草だろうと思った。

ほかにましな例文はなかったのか。

「地をはいずり回る」を実践している人が、自分の不器用さを[謙遜して]そう言うのならまだしも、この(例文)だと[けなして]とあるから、「はいずり回っていない」人が「はいずり回っている」人を横目で見つつ、懐手して「ははーん、こいつ、creeping empiricism だな・・・」と心の中でつぶやいているような情景が思い浮かんできて「何だよ冷たいな」と腹が立ってくる。

橋本治『わからないという方法』という本で、著者自らが「地を這う方法」として、「枕草子」現代訳の「しんどい作業」を延々と語りつづけている箇所があったが、こういうことまで [けなして]地をはいずり回る経験主義、と言うんだったら、『ジーニアス英和辞典』はちょっと経験主義に対して冷たすぎる。

と勝手な感想を抱きながら辞書を閉じた。

ブログ「イチの牛耳り方 2.0」が面白い

2009年11月14日 | 橋本治
最近見つけて、面白いなと思ったブログ。

ブログ「イチの牛耳り方 2.0」

http://ichikoro2.blogspot.com/

橋本治や内田樹という、私が浴びるように読んだことのある人の名前があるので、
入りやすかった。


///以下、ブログ「イチの牛耳り方 2.0」 より拝借した文章///

『上司は思いつきでものを言う』(橋本治著/集英社新書)を読む。

橋本評論文の魅力はなんといってもその「予想外に奥深い射程距離」だろう。表面的にはたいへん読みやすい文章なのだが、実はかなり奥行きが深く設計されていて、ボーと読んでいるといつの間にか来た道が全然思い出せないというような最奥まで連れて行かれてしまう。だから頭のいいオレはちゃんとパンをちぎり捨てて来た道を忘れないようにするのだが、頭のわるいオレはお菓子の家を見つけた瞬間からそんなことをすっかり忘れて喰らいついてしまうので、結局気がついたら館内放送で呼び出されるまで自分が「迷子」だとは知らなかったというような元気過ぎる少年になってしまうのである。「あれ?オレなんでこんな話に聞き入ってるんだっけ?」

///以上、ブログ「イチの牛耳り方 2.0」 より拝借した文章///

最近は就職活動をされていたらしく、その辺りの文章もおもしろい。ふむふむと読ませる。


///以下、ブログ「イチの牛耳り方 2.0」 より拝借した文章///

ブラジル永住計画
月曜日, 10月 26, 2009
就職活動

根本的なモチベーションは未だに回復しておりませんが(たぶんこれは生涯回復しない)、日々の生活のこともあるし、永住に先立って何度かブラジル旅行もしておかないといけないということもあるので、お金を稼ぐ動機自体は充分すぎるほど戻っている。ワシ働くで、働くでワシ。目下、平日は日毎4件応募というローラー作戦を実施しているが、契約社員で応募した1社を除いて、他、一向に返事が来ない。うんともすんとも言うてこない。どうなっとるんだ近頃の世の中は。あ、そういえば1社編集プロダクション(という職歴を無視した応募もしているのです)から折り返しのメールをすっ飛ばしていきなり電話がかかってきて、でももちろん電話番号なんか知るわけないから「ん?派遣会社か?」と思って特に構えずに出たら、「株式会社○○だけど、えーっとリクナビだったっけ?応募してもらった?」と、考えられないほど不躾な言葉使いで尋ねてきたので、頭にキて、「かけ直してこいボケ」と言って一方的に切ってやったことがあったな。というのはもちろん冗談だが、それぐらいムカついたのは確かで、次いで「志望動機は何ですか?」と聞くので、「え?書類応募に書いたこと以外で、という意味ですか?」と尋ねると、「うん、だから志望動機は何ですか?」と、電話越しに圧迫面接をかけるというあり得ないことをしてきたので、頭にキて、「おい、喧嘩売ってんのか、おっさん?」と言って一方的に切ってやった。というのももちろん冗談で、すぐにピンときて「ヤロウ、唐突に質問して整合性をみようって腹か?」とは察しがついたが、すいません、そんなん急に言われても憶えてないです。というわけでいい加減なことを適当に喋ったら、こっちがまだ喋り終わってもいないのに、遮るように「はい、わかりました。今週中にあらためて連絡がなければ、そういうことだと思って諦めてください」とヌカしやがったので、頭にキて、「コラおっさん、いくらなんでもこれはヒドくないか?オレは応募者であると同時に読者でもあるんやぞ?何考えてんねんオイ!」と言って一方的に切ってやった。というのもやっぱり冗談だが、これはホントにそうすればよかったと今でも思っている。あまりの対応の横柄さに、電話を置いた後、1時間くらい本気でイライラして落ち着きませんでした。これはマジな話。

///以上、ブログ「イチの牛耳り方 2.0」 より拝借した文章///