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祝の島

2010年06月02日 | 思うこと
映画を観に行った。
タイトルは「祝の島(ほうりのしま)」だ。
知っている方もおられようが、 初めての方もいらっしゃると思う。

山口県の上関町長島に原子力発電所が作られようとしている。
この映画はその対岸の祝島の人達をテーマにした物だ。
年老いた人達の笑顔が実に素敵だ。
この島の人達はずっと昔から漁業と農業のみで生活している。
質素ながらも心豊かな感じがする。

長島に28年前に上関原発を作る計画が持ち上がった。
それからずっとお爺さん、お婆さん達による反対運動が続いている。
デモも千回をはるかに越えている。
理由はこの辺りの素晴らしい海を守りたいが為である。
自分達は海から一杯恩恵を受けて来た、だからそれを子孫にも残してやりたいと思っている。

島には推進派の人もいる。
亀裂が深まり、分断された形だ。
それを推進派、反対派を問わず皆が残念、辛い事だと感じている。

原発の計画では長島にある田ノ浦の海岸を14万平方メートルを埋め立て、その上に造る事になっている。
そしてもし稼動するとなれば大変な危険を伴う事になる。
当然国、電力会社は絶対安全であると言う。
しかしその根拠は無い。
今まで何十年と原発の中で働いてた人が証言している。
内部について言えば、必ず行われなければならない定期検査、部品の交換でさえ、その担当者は被爆していると言う。
場所に依っては1回5分から7分また原子炉の下では10数秒しかいられないと言う。
故に熟練者程、年間の決められた被爆量にすぐ到達してしまい、まだ技術の確かで無い人達が交換、修理をしているのが現実らしい。
ガン、白血病も誘発していると言う。
その方も今ガンと戦っている。

また地震への対応のいい加減さ、定検の度に海に放射能を含む水が何十トンも流される事、高い排気塔からも出ているし、放射能が低レベルとされている廃棄物はすでにドラム缶約80万本あるらしい。
また厄介なのは一度でも稼動した原発は放射能漏れから解体が非常に困難だと言う。

私はまだまだ門外漢だが、少し聞いただけでも非常に怖い感じがする。
祝島の方達は自然の中で生きておられる。
必要以上の文化も求めていない。

この映画は各地で自主的に上映されている。
まだ若い女性のはなふさ監督は要望があればまた何度でも岡山に来て上映したいと言われてた。
機会があれば是非御覧になる事をお勧めしたい。

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