My Blue Heaven Missing link

魅力的な写真とそこからイメージした詩をお楽しみください。

return an echo

2012-04-05 16:42:26 | Toshi Imai

 

【 Photo by Toshiyuki Imai 】 

 

 


 

突然

ボクが 飛ばした言葉が

どこかに 当たって 返ってくるようになった

 


 

はじめは こだまのように 返ってくるだけだったが


「あなたは どこへ いくのですか」

と発した言葉が

『そう言っているオマエは どこへいくつもりなんだ』

と 返ってきたのをきっかけに

まるで 体当たりしてくるような 強い言葉へと変わった

 


 

もうそれは

ボクが外へ向かって発した言葉ではなく

ボクの内へと投げつけられた言葉になり


ドンドン強さを増していった




 

『オマエが道を語れるのか? オマエだって ただ迷っているだけじゃないのか?』

 

 

『風が教えてくれるだ~~~? オマエ風と話しが出来んのか?』

 

 

『いつも寂しいオンナの子? オマエの子供時代は 寂しがりやだったんじゃなくて 愛に飢えてたんだよ』

 

 

『自分を夜の闇で汚したかった だって? ハハハ オマエはただ遊びたかっただけだろ』

 

 

『自由になりたい? 死んで初めて本当の自由になるって 知ってるクセに』

 

  

 

 

ガマンが出来なくなったボクは 思わず 返ってくる言葉に向かって叫んだ

 


 

「何の意味があって ボクの言葉を 問い直すんだい?」

『じゃあオマエは 何の意味があって 言葉を発してるんだ?』

 


 

返ってくる言葉は禅問答のように さらに深い言葉になっていた

 

 

 

「ボクの言葉は 間違っているのかい?」

どう飛ばしても どこまで飛んでもオマエの言葉 オマエの口から出た瞬間 全部オマエの言葉なのさ

言葉は間違わない 間違っているのはオマエってことさ』

 

 

 

「ボクは言葉を 飛ばし続けてはいけないの?」

『人は誰でも 言葉を飛ばし続けているのさ 意思を持って飛ばしているか 無意識に垂れ流しているかの違いだけさ』

 

 

 

「ボクの言葉に 価値はあるのかな?」

『言葉の価値は 受け取った人が決めるのさ 最初から言葉に値札ぶら下げてどうすんだ?』

 

 

 

「じゃあ ボクの言葉は・・・・」

『ボクの言葉 ボクの言葉って言うけれど 一つずつ言葉を拾ってみれば 言葉に差なんかないのさ

でも同じ言葉でも バックボーンが違えば 測る機械はないけれど “重さ” が変わる

自分の言葉の意味を考え続ければ 単位はないけれど “力” が変わる

自分とは何かを問い続ければ 偽物なんてないけれど “本物の言葉” になるものさ ・・・ただし・・・』

「ただし・・・?」

『こだまのように返ってくる言葉は 意思を持って発せられた 言葉だけだということを忘れるなよ』

 


 

ボクへ戻ってきた言葉は 消えていった



 

またどこかに 別の役目があって 飛んでいったのか

それとも ボクの言葉にまた別の使い道があって 飛んでいったのかは 分からない

そして こだまの本当の意味も 分からない

 


 

ただ

「言葉は 自分だけのものじゃないし 使い捨てじゃない

そんな 気がした

 


 

細かい雲が 空を埋めていた

もしかしたら あの雲は 誰かの言葉と そのこだまなのかもしれないと

空を見ながらボクは思った

 

 

 

 

 

 

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