【 Photo by Kentarou Noomaru 】
降りるのを
忘れてしまった
駅がある
そこで
待っていた
人がいた
知っていたのに
降りなかった
ボクがいた
数年に一度
その駅を
通り過ぎると
未だに
その人が待っている
そんな気がして
降りてみたいけど
降りることは出来るけど
そのまま流れ始める車窓に
映っているのは
ボクじゃなく
ボクだった人で
子供とか若者の
世界のはるか外へ
とっくに出た人だった
降りるのを
忘れられた駅は
今度も忘れられたまま
また次の駅が
やってきて
ぼくは少し安心する
無事に通り過ぎたことに
戻ろうとしなかったことに
ただの年寄りのままだったことに
忘れられたままの駅は
いつかまたボクを
呼び止めるだろう
久しぶりに覗いたらどうだい?
あの頃のキミがいるよ
見たくないだろうけど
まだここにはいるよ
人を傷つけるのが
怖くなかった頃のキミが
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